福島第一原発で溶け落ちた核燃料=燃料デブリの試験的な取り出しについて、東京電力は2日、政府に再発防止策を報告する予定でしたが、急きょ、延期されました。再開の見通しは、立っていません。

福島第一原発2号機では、8月22日、燃料デブリの試験的な取り出しが予定されていましたが、作業員が装置を押し込むパイプの順番を間違えたため、中断されていました。

東電によりますと、パイプは7月に並べられて以降、1か月近く並び順が間違ったままだったとみられています。また、作業は協力企業が行い、東電の社員は、立ち会っていませんでした。

こうした調査結果と再発防止策について、東電の小早川社長は、当初、2日午後にも齋藤経産大臣に対し、報告する予定でした。

ところが…。

東電の担当者「本日の報告内容につきましては、経済産業省から確認したいことがあるという話がございまして、当社から改めて精査が必要になったということで、延期させてほしいということで、申し入れを行っております」

政府への報告は3日以降に延期されることとなりました。一方、同じように報告を受ける立場の福島県の内堀知事は…。

内堀知事「安全を最優先に確実に作業が前に進められるよう、東京電力が今後示す再発防止策等をしっかり確認してまいります」

中断から10日以上が経過しましたが、前提となる報告が延期されたことで、再開の見通しは、いまも立っていません。

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