千葉県銚子市が設けた「千葉科学大学公立大学法人化検討委員会」(委員長・矢尾板俊平淑徳大学地域創生学部長)が25日開いた最終会合。答申を受けた越川信一市長は「公立化は最終手段。まずは私立大学として運営してもらいたい」と明言した。その上で、同大を経営する加計学園との協議を早急に再開し、並行して市の方針を決める考えを示した。(堀場達)

◆市の検討委は、公立化に7つの条件が必要と答申

 答申は公立化には7条件が必要だとし、その第1に「大学の規模の見直し」を挙げた。現在の3学部6学科を危機管理学部危機管理学科と看護学部看護学科の2学部2学科に縮小することを同学園に求めた。

答申書を示す矢尾板俊平委員長(右)と越川信一市長=千葉県銚子市で

 入学定員は看護学科を現行90人のままとする一方、危機管理学科は100人未満とすることも含まれ、総定員は現在の2210人のおよそ3分の1の規模になる。  同学園には、このほか▽公立化に伴い、必要となる建物設備を市へ無償譲渡し、定員削減などで不要となる建物設備を学園が除却する▽公立大学運営のための資金を市へ譲渡する―が求められた。一方、市に対しては▽市立銚子高校をはじめとする市内高校と同大との高大連携促進▽研究資源や研究成果の地域への還元―などの条件を提示した。

◆市長は「7条件が受け入れられなければ公立化を断念」

 会合後の記者会見で、越川市長は「公立化ありきではない。まず加計学園に答申内容を伝え、2月から中断している協議を早急に再開する」とした上で「最低限の7条件が受け入れられない場合、公立化を断念せざるを得ない」と述べた。  財政事情の厳しさもあり、市は当初から公立化は「市に極力財政負担を生じさせないことが前提」と主張してきた。

◆「この案に協力すれば、加計学園の傷も浅くなる」

 矢尾板委員長は「厳しい条件とは考えていない。むしろ、この案に協力するのが加計学園にとって(千葉科学大学の経営から撤退する場合)最も傷が浅くなるのでは」と話した。 

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