日本の南の海上を「強い勢力」でゆっくりと北上を続ける「台風10号(サンサン)」は、今後も発達を続けて28日午後3時までに「非常に強い勢力」となり、29日に「九州の西」から日本に上陸する可能性があります。気象庁の最新の実況によりますと、26日午後6時現在に「台風10号」は「日本の南」にあり、時速10kmの速さで西に進んでいるとみられている。

今後、日本列島縦断の恐れも出てきている「台風10号」。今後の動きは一体どのようになるのでしょうか?

以下、気象庁が発表する「台風10号」実況と最新進路予報の詳細となります。
(◎のマークのある予報が日本に上陸するとみられる日時の予報となります。)
その後に気象予報士の解説があります。

「台風第10号(サンサン)」の実況と予報
(気象庁・26日午後6時45分発表)

・26日午後6時の実況によりますと…
「台風10号」は「強い勢力」で、北緯27度35分、東経132度30分を中心に『日本の南』で西方向に時速10kmの速さで進んでいるとみられています。中心の気圧は980ヘクトパスカルで中心付近の最大風速は35メートル、最大瞬間風速は50メートルとなっています。台風の全域55kmが秒速25mの暴風域となっていて、北東側390kmと南西側220kmが、秒速15m以上の強風域となっています。

・27日午前6時の予報によりますと…
「台風10号」は「強い勢力」のまま、北緯28度00分、東経131度05分を中心に『奄美市の東南東約160km』で西北西方向に時速10kmの速さで進むとみられています。中心の気圧は970ヘクトパスカルで中心付近の最大風速は40メートル、最大瞬間風速は55メートルとなっています。予報円の半径は65km、台風の全域150kmが暴風警戒域となっています。

・27日午後6時の予報によりますと…
「台風10号」は「強い勢力」のまま、北緯28度25分、東経130度10分を中心に『奄美市の東約70km』で西北西方向にゆっくりとした速さで進むとみられています。中心の気圧は955ヘクトパスカルで中心付近の最大風速は40メートル、最大瞬間風速は60メートルとなっています。予報円の半径は95km、台風の全域230kmが暴風警戒域となっています。

※気象庁のHPによりますと、最大瞬間風速60m/sで…
「樹木・電柱・街灯が倒れる」「ブロック壁が倒壊する」「木造住宅が倒壊し始める」「鉄骨構造物が変形する」といった恐れがある強さの「猛烈な風」となります。

・28日午後3時の予報によりますと…
「台風10号」は「非常に強い勢力」に発達して、北緯29度30分、東経129度35分を中心に『屋久島の南西約120km』で北北西方向にゆっくりとした速さで進むとみられています。中心の気圧は950ヘクトパスカルで中心付近の最大風速は45メートル、最大瞬間風速は60メートルとなっています。予報円の半径は155kmで、台風の全域310kmが暴風警戒域となっています。

◎​29日午後3時の予報によりますと…
「台風10号」は「強い勢力」となり、北緯31度40分、東経129度55分を中心に『九州の西』で北方向に時速10kmの速さで進むとみられています。中心の気圧は960ヘクトパスカルで中心付近の最大風速は40メートル、最大瞬間風速は55メートルとなっています。予報円の半径は260kmで、台風の全域410kmが暴風警戒域となっています。

30日午後3時の予報によりますと…
「台風10号」は、北緯33度50分、東経132度55分を中心に『四国』で北東方向に時速15kmの速さで進むとみられています。中心の気圧は975ヘクトパスカルで中心付近の最大風速は30メートル、最大瞬間風速は45メートルとなっています。予報円の半径は370kmで、台風の全域500kmが暴風警戒域となっています。

31日午後3時の予報によりますと…
「台風10号」は、北緯37度35分、東経138度25分を中心に『日本海』で北東方向に時速30kmの速さで進むとみられています。中心の気圧は985ヘクトパスカルで中心付近の最大風速は23メートル、最大瞬間風速は35メートルとなっています。予報円の半径は460kmとなっています。

「令和6年 台風第10号に関する情報 第31号」
(気象庁発表:8月26日午後5時10分)

強い台風第10号は、日本の南を発達しながら北上し、27日から28日にかけて奄美地方に非常に強い勢力でかなり接近する見込みです。その後、29日以降は西日本に接近するおそれがあります。暴風や高波、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒してください。

●気象概況
 強い台風第10号は、26日15時には日本の南にあって、1時間におよそ20キロの速さで西北西へ進んでいます。中心の気圧は980ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は35メートル、最大瞬間風速は50メートルで中心から半径55キロ以内では風速25メートル以上の暴風となっています。
 台風第10号は、日本の南を発達しながら西北西へ進み、28日は進路を北よりに変えて、ゆっくりとした速さで27日から28日にかけて奄美地方に非常に強い勢力でかなり接近する見込みです。その後、29日以降は西日本に接近するおそれがあります。また、台風の北上に伴って、西日本から東日本には台風周辺や太平洋高気圧の縁を回る暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が非常に不安定となる所があるでしょう。

●風の予想
 奄美地方と西日本では、27日から28日にかけて、猛烈な風が吹く所がある見込みです。
 27日に予想される最大風速(最大瞬間風速)
  九州南部   30メートル(45メートル)
  奄美地方   30メートル(45メートル)
 28日に予想される最大風速(最大瞬間風速)
  近畿地方   18メートル(30メートル)
  四国地方   23メートル(35メートル)
  九州北部地方 30メートル(45メートル)
  九州南部   45メートル(60メートル)
  奄美地方   45メートル(60メートル)
 その後、西日本では猛烈な風が吹くおそれがあります。

●波の予想
 奄美地方と西日本では、27日から28日にかけて、うねりを伴い猛烈にしける所があるでしょう。
 27日に予想される波の高さ
  九州南部   8メートル うねりを伴う
  奄美地方   9メートル うねりを伴う
 28日に予想される波の高さ
  近畿地方   6メートル うねりを伴う  
  四国地方   8メートル うねりを伴う
  九州北部地方 6メートル うねりを伴う 
  九州南部   9メートル うねりを伴う
  奄美地方   9メートル うねりを伴う
 その後も、西日本では猛烈なしけとなるおそれがあります。

●雨の予想
 奄美地方と西日本から東日本の太平洋側を中心に、29日頃にかけて、雷を伴って激しい雨や非常に激しい雨が降り大雨となる所がある見込みです。
 26日18時から27日18時までに予想される24時間降水量は多い所で、
  東海地方   180ミリ
  近畿地方   120ミリ
  四国地方   100ミリ
  九州南部   120ミリ
  奄美地方   100ミリ
 その後、27日18時から28日18時までに予想される24時間降水量は多い所で、
  東海地方   200ミリ
  近畿地方   120ミリ
  四国地方   150ミリ
  九州北部地方 150ミリ
  九州南部   400ミリ
  奄美地方   200ミリ
 その後、28日18時から29日18時までに予想される24時間降水量は多い所で、
  東海地方   300ミリ
  近畿地方   300ミリ
  四国地方   300ミリ
  九州北部地方 300ミリ
  九州南部   500ミリ
  奄美地方   200ミリ

●防災事項
 奄美地方と西日本では、一部の住家が倒壊するおそれもある猛烈な風が吹く所がある見込みです。風が強まる前に頑丈な建物の中に移動するとともに、屋内では窓から離れるなど暴風に厳重に警戒してください。また、奄美地方と西日本では高波に厳重に警戒してください。
 奄美地方と西日本から東日本の太平洋側を中心に、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒してください。また、落雷や竜巻などの激しい突風に注意してください。発達した積乱雲の近づく兆しがある場合には、建物内に移動するなど安全確保に努めてください。

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