クマに女性が襲われて亡くなった青森県・八甲田山系で、県を始め関係団体が登山道の入山規制を解除するためのパトロールを開始しました。

地元のガイドたちは、紅葉シーズンには規制の解除が間に合ってほしいと期待を寄せています。

県や青森市の職員は22日朝、八甲田ロープウェーに乗って山頂駅を目指し、クマによる死亡事故を受けた入山規制の解除に向けたパトロールに向かいました。

入山規制は、死亡事故の現場周辺の登山道5本で実施されていて、このうち八甲田ロープウェー山頂駅を起点に毛無岱湿原や酸ヶ湯温泉へ抜けるルートの規制を優先的に解除する方針です。

県観光政策課 工藤泰正課長
「(登山道を)いつ開放できるか現時点ではまだ確定的なことはお話できませんけれども、私どもも秋の紅葉シーズンを見据えながら作業はしていきたい」

入山規制をしているのは、酸ヶ湯温泉や八甲田ロープウェー山頂駅にすぐ近くにあり、登山客や観光客にも人気のコースになっています。このため、酸ヶ湯温泉に勤めている八甲田山系のガイドにとっては、入山規制が続いた約2か月間は大きな打撃となりました。

酸ヶ湯温泉ガイド課 津川祐二係長
「6月の後半あたりから毎週末あたり8月まで毎週末(予約が)入っていたんですけども、それがすべてキャンセルになってしまって。売上もがた落ちなので生活面でも苦しいかなっていう感じになりますね」

関係機関は、22日から施設や遊歩道に異常がないか点検し、9月中旬から段階的に規制を解除する方針で、ガイドたちは多くの観光客が訪れる紅葉シーズンには通行できるようになってほしいと期待を寄せています。

酸ヶ湯温泉ガイド課 津川祐二係長
「ちょうど紅葉シーズンに間に合ったかなという感じなので、嬉しくは思っています。今のところ(予約は)まだないですけれど、これからじわじわと来るのかなとは思っています」

青森市は、入山規制が解除した場合でもクマがいる危険性を理解して行動してほしいと呼びかけています。

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