家庭での性教育、何をどこまで伝えたらいいのか?そもそもどう切り出すかが難しいですが、そうした中、きっかけ作りに役立つ新たなグッズが登場しています。カードを監修した産婦人科医の宋美玄さんに、家庭での性教育のポイントについて聞きました。
◎産婦人科医・宋美玄(そん・みひょん):丸の内の森レディースクリニック院長。1男1女の母。健康や性などについて医学的に正しい知識を積極的発信。
性についてどう伝えればいい?悩みを抱える親たち
兵庫県明石市で行われた乳幼児の保護者向けの性教育セミナー。性について子どもにどう伝えていくか、悩みを抱える親たちが集まります。
(NPO法人HIKIDASHI 大石真那さん)「肌にたくさん心地のよいスキンシップを記憶させてあげてください。プライベートゾーン、自分だけの大切な場所なので、むやみに見せたり触らせたりしない。家族であったとしても、お風呂あがりはすぐに下着をつけるとか、服を着るとかしてもらうといいんじゃないかなと」
セミナーでは子どもが幼いうちから性について伝えるべきことや伝える方法を親たちが学びます。
(2児の母)「もうすぐ5歳になる息子がいるんですけど、ハグとか大好きで、幼稚園の友達も男女関係なくハグしているんですよ。私が気になってきて」
(1児の父)「娘なので、女の子のことについてどう伝えるか、難しさがあるなと思ったので。子どもも絵本なら食いつきながら、イラストも使ってわかりやすく教えられるかなと」
いま、家庭でも性について教えたいという保護者が増えています。
「おうち性教育」のグッズ 考案者は小学生の子を育てる親
そんな「おうち性教育」をこれから始める人向けのグッズが登場しています。通信販売大手「フェリシモ」が開発した「性とからだとこころを知るカード」。カードは15枚あり、「赤ちゃんはどうやってできるの?」と書かれたカードを開いてみると、妊娠についての科学的な知識がイラストを交えて分かりやすくまとめられています。ほかにも男女の体の違いや性感染症など、各年代ごとに知っておきたいテーマが用意されています。考案したのは小学生の子どもを育てる赤松麻衣さん。子どもが正しい知識を学び身を守れるようになってほしいと開発しました。
(フェリシモ 赤松麻衣さん)「家庭内で(性についての)話をしていいという環境を作ることが大事なので、そのきっかけ作りのカードです」
カードを使うときの“大事なポイント”は?
実際に、このカードをどうやって家庭で使うのか、赤松さんの自宅で見せてもらいました。
(8歳の娘に話す赤松さん)「どれ見たい?どれならよくわかる?」
まずは子どもが興味を持ったカードを選ぶこと。関心を示さないカードを無理に読む必要はありません。そして、カードを選んだら親が声に出して読んでみます。
(赤松さん)「赤ちゃんができるには女の人の体の中にある卵子と男の人の体から出る精子の中からそれぞれ1つずつが出会わなければなりません」
この時、「卵子」や「精子」などドキッとするようなワードが出てきても、親がとまどったり恥ずかしがったりせずに読むことが大事です。
(赤松さん)「事実を事実のままに伝えたら、割としっくり子どもの中には入ってくる」
(娘)「(Qどうしたら親は恥ずかしがらずに読める?)ママが最初に読んだりしたからとか?」
(赤松さん)「先にひとりで読んでるから恥ずかしくないのかな」
そして一番大切なのが親子で会話すること。
(赤松さん)「赤ちゃんはどこから来るの?って思ったことある?」
(娘)「ある!」
(赤松さん)「どこから来ると思ってた?」
(娘)「そら!」
カードをきっかけに親子で楽しく会話することで、性について相談がしやすい家庭になるといいます。
(娘)「(Qお母さんとこういう話できるのはどう?)たのしい!なんだろう、なんか知れてうれしい」
カードを監修したのは性教育について積極的に発信を行う産婦人科医の宋美玄さん。学校だけでなく家庭でも性について教えるべきだといいます。
(産婦人科医 宋美玄さん)「自宅で性教育的なことをするにあたって最大の強みは、普段からお子さんと接している方が、そのタイミングや内容を自分たちで調節しながら知識を与えていける」
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