〈全国高校野球選手権 準決勝 京都国際3-2青森山田 21日 阪神甲子園球場〉

最後まで背番号「1」を背負うプレッシャーと戦った。エース関浩一郎は敗戦の責任を1人で背負った。

「エースとして『0』を作ってくれるだろうという思いが兜森監督からもチームからもあった。そこは任された思いはあった。期待に応えられなかったという思い。自分に対する反省が1番大きい」

京都国際との準決勝。出番は6回に回ってきた。この夏は初戦長野日大戦、準々決勝滋賀学園戦の2試合に登板して計15回を1失点。指揮官は絶対的エースに命運を託した。

最速152キロを誇るプロ注目右腕。先頭を空振り三振にきってとり、波に乗るはずだった。

「立ち上がりの悪さというところは自分が高校に入ったころから言われ続けてた課題というところで、そこが最後の負ける時って自分の課題が出るんだなという風な感じた試合だった」

1死から連打と死球で満塁のピンチを招くと京都国際の5番長谷川にタイムリーを浴びて同点に追いつかれた。さらに6番服部は投ゴロに打ち取るも、この間に、三塁走者の生還を許し、試合をひっくり返された。

「尻上がりに良くなっていった」。関が振り返るように、7回以降は本来の投球を取り戻した。4回を投げて被安打は4。そのうち3本を集中された6回の立ち上がりが最後まで響いた。

試合後、関の目には涙が浮かんでいた。
日本一を目指した青森山田のエースとして役割を果たせなかった。
それでも関は最後にこう口にした。

「最初から最後まで自分の理想の場所でしたし夢の舞台だった。最後の最後まで本当に楽しいという思いがすごくありました」

青森山田の4強進出は春夏通じて初。全国制覇の夢をつかむことはできなかったが、名門の「背番号1」として確かに甲子園のマウンドに足跡を残した。

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