東日本大震災発生後、14年ぶりにオープンした仙台市の「深沼海水浴場」は18日、今シーズンの営業を終えました。
台風の接近で、閉鎖した日もあり復活した「海の家」にも影響が出ました。

14年ぶりの海開き

18日。強い日差しが照りつける中、家族連れや若者たちが最後の遊泳を楽しみました。

訪れた親子:「大学が仙台だったので(震災前は)よく来てました。ここの景色は変わらないので久しぶりに来てよかった」
「波がすごく高くてジャンプするの楽しかった」

仙台市若林区の深沼海水浴場は、2011年の津波被害を受け遊泳禁止が続いていましたが、市民の要望に加え、津波からの避難場所が整備されたことを踏まえ、今年、14年ぶりに海開きしました。

海開きの日に訪れた人:
「やっと海で楽しめる。一歩前進したのかなと思う」

期間中の来場は、およそ1万4000人で震災前=2010年の3割ほどでした。
その要因となったのが…。

小笠原悠記者:
「台風の影響で遊泳エリアを囲うロープが流されたため、朝からライフセーバーの人たちが元に戻す作業をしていますが、波が高く難航しているようです」

台風の接近に伴い、8月は3連休を含む5日間、海水浴場が閉鎖されました。

復活した「海の家」

海水浴場の再開に合わせ復活した「海の家はっちゃん」。
お盆の書き入れ時に営業ができませんでしたが、18日は、かき氷や名物のお好み焼きを買い求める人で賑わいました。

76歳の店主・白井文一郎さん。

海の家はっちゃん店主・白井文一郎さん(76):
「半額だ!半額!」

最後は、お客さんへ感謝を込めて大サービスです。

海の家はっちゃん店主・白井文一郎さん(76):
「宴の後だよ。(Q、1か月どうでしたか?)長いようで短かったな。
(Q、昔のお客さんも来ました?)来ましたよ~。でも恥ずかしいからあんまり喋らなかった」

店主を支える家族

妻の邦子さんと孫の凪さんも、1ヶ月間店に立ち続けました。

海の家はっちゃん・白井邦子さん:
「ほんとほんと大変です。でもね(孫も)手伝ってくれたから」

孫・凪さん:
「普段会ったりしないので、こういう時でしか顔合わせないので楽しかった。
でも、もっと人が来てくれたら良かった」

妻・邦子さん:
「天候もあったんですけどね。
(Q、昔と比べたら?)全然…やっぱり海離れです」

台風の影響があったとはいえ、かつての賑わいを取り戻すには時間がかかりそうです。

仙台市の担当者は、「台風による閉鎖がなければ、2万人ほど来場が見込まれた。今回の海開きは、一定のニーズはあったと思うが、震災後の『海離れ』の解消やリピーターを増やす取り組みなど、運営の課題を洗い出して検証する」としています。
来年の深沼海水浴場の開設はまだ決まっていませんが、海の家の白井さんは、機会があればまたやりたいと話していました。

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