「バンドウイルカ」の赤ちゃんが誕生です!
北海道内初の成功の裏には、飼育員たちの奮闘がありました。
来館者
「おめでたいですね」
「お母さんイルカと遊ぶ様子とか見たい」
飼育員
「そろそろ出ます!出ました!」
おたる水族館飼育部長 角川雅俊 獣医師
「北海道の水族館では、初めてのバンドウイルカの無事出産した例になる」
イルカの赤ちゃん誕生、その舞台裏を「もうひとホリ」します!
それは、去年11月のことでした。
飼育員
「すご、頭映ってる」「これ確定ですね」
妊娠がわかったのは、バンドウイルカの「メリー」。推定20歳。
ホルモンバランスを測定し、交尾するタイミングを計るなど、2年間にわたる「妊活」をしていました。さらに。
おたる水族館飼育部長 角川雅俊 獣医師
「複数の水族館にいろいろ話を聞き、一番重要なのは授乳動作のためのトレーニングなんですけれど、ターゲットと呼ばれる指示する棒なんですけれどこれをこの辺りにおっぱいがあります。ここにあててゆっくり棒の先に合わせてイルカがスピードを調整してゆっくり泳ぐ、泳ぐ速度を調整するためのトレーニング」
イルカは、水中で泳ぎながら赤ちゃんにおっぱいをあげます。
お母さんイルカが速く泳いでしまったら、赤ちゃんはおっぱいを吸うことができません。
飼育員たちは、イルカの出産の経験がある鹿児島の水族館からレクチャーを受け、メリーとともに訓練を続けていました。
おたる水族館飼育部長 角川雅俊 獣医師
「何年か前はこういう知識はわれわれには無かった。繁殖のためのトレーニングや検査データの取り方は日進月歩なので新しい情報を入れていかないと成功には結びつかない」
そして18日夕方…。小さな尾びれが出てきました。
飼育員
「背びれが出ました。出ますそろそろ、出ました!」
「そうだそうだ いいよ頑張って」
生まれたのはメスの赤ちゃん。
お母さんと一緒に、元気に泳ぎだしました。
イルカ担当の飼育員 角谷茜さん
「産まれたときは本当にうれしいのと、メリー本当に頑張ったね!という感じでしたね」
イルカ担当の飼育員 佐久間穂菜美さん
「もう赤ちゃんに寄り添ってメリーもしっかり泳いでいたので、メリーの顔もお母さんの顔になっていた。そういう風に見えて・・・」
これは、初公開となる、出産から1日たった19日の映像です。
お母さんイルカのメリーが、赤ちゃんにおっぱいをあげています。
メリーが赤ちゃんのスピードに合わせて泳いでいるのがわかります。
おたる水族館飼育部長 角川雅俊 獣医師
「正常分娩と授乳という二つの大きなハードルは超えたが、いまは順調ですけどここで油断せずに、これからいろいろな遊びを覚えてくると、予想外の行動も出てくると思うので、それも事故につながる可能性もあるので、メリーはしっかりした母なんですけどわれわれも十分観察を強化していきたい」
実はおたる水族館は今年で50周年。
今回のバンドウイルカの出産は北海道内初という快挙ですが、これまでにいくつもの繁殖を成功させてきたんです。
1958年の北海道博覧会の会場を引き継いで誕生した水族館。
1974年、ちょうど50年前に、現在の場所に移転し「おたる水族館」としてオープンしました。
4年後には、新しくつくられたプールで、アザラシのショーを公開。
いまではおなじみのイルカスタジアムが完成すると、多くの子どもたちが、イルカたちのダイナミックな技に歓声をあげました。
一方で、生き物の保護や繁殖を行うのも、水族館の大切な役割。
おたる水族館では、2004年に世界で初めて「ワモンアザラシ」の繁殖に成功しました。
当時の来館者
「かわいいね、なんでも赤ちゃんはかわいいね」
アザラシのなかで最も体の小さい「ワモンアザラシ」。
赤ちゃんの愛らしい姿が人気を集めました。
2009年には「ホッケ」の繁殖に成功。
全国的にも珍しい、成長する前の青みがかった姿を公開しました。
2010年には、当時、環境省の準絶滅危惧種に指定されていたキタサンショウウオの繁殖に成功しています。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。