飼料の高止まりなどから、畜産農家を取り巻く環境は年々、厳しさを増しています。宮城県内の畜産農家は「牛を手放す農家も相次いでいる」と話し危機感を募らせています。

美里町青生にある牛舎です。

畜産農家 千葉孝幸さん:
「牛は暑さに弱いのでこのように換気扇をフルで回している。飼料代はずっと高いが光熱費なども上がってきてかなり経営はひっ迫している」

およそ80頭の牛を育てる千葉孝幸さん(46)です。市場で買い付けた生後10か月前後の子牛を20か月から22か月ほど飼育し、食肉用として出荷しています。

畜産農家 千葉孝幸さん:
「これが牛を大きくするためのメインとなるエサ」

トウモロコシや小麦などの穀物配合飼料は、肉質のいい牛をつくるために欠かせません。しかし、円安や世界情勢の悪化から、価格は高止まりの状態が続いています。

配合飼料の価格は20年前のおよそ3倍に

畜産農家 千葉孝幸さん:
「実際、どんどん辞める人も増えている。当然やる人が少なくなってくれば牛も減ってくる」

千葉さんによりますと、牛1頭が1日に食べる配合飼料は、およそ10キロ。コスト全体の半分を占めます。配合飼料の価格は20年前のおよそ3倍になっていて、資材などの物価高も加わり厳しい経営に追い打ちをかけます。

畜産農家 千葉孝幸さん:
「何とか消費拡大ができるような政策をとってもらうと助かる。牛の飼育をやめてしまえば を繰り返してしまうので、何とかそれを止められるように頑張って乗り切っていきたい」

千葉さんは、「国産牛肉を少しでも消費してもらいたい」と訴えていました。

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