被爆した広島の惨状を78年前、「ヒロシマ」というルポタージュでいち早く世界に知らせたアメリカ人ジャーナリストのジョン・ハーシーさん。取材に協力した被爆者で牧師の谷本清さんとの友情を描いた、映画が制作されることが決まりました。

キヤノン・ハーシーさん
「その大変な時にあっても、ジョンと清は決めたんです。物事を変えてるために、新しい方法でイチかバチかやってみようって」

映画は、日本とアメリカの共同制作で、現在は、脚本作りが進められています。

1946年、ジョン・ハーシーさんはルポ「ヒロシマ」で、谷本清牧師など6人の被爆者の状況を伝え、世界的に大きな反響を呼びました。その後、谷本牧師は、全米を巡回するなどして、被爆体験を伝えてきました。

0歳で被爆し、幼い時に谷本牧師と共にアメリカで取材を受けたこともある、長女の近藤紘子さんは、この映画の「制作総指揮」として迎えられました。

近藤紘子さん
「多くの被爆者のお一人お一人の願い、この世界の核を廃絶しなきゃ、という気持ちが、みんなの心の中に沸き出てくることを私は期待しております」

映画のプロデューサーの一人で、ジョン・ハーシーさんの孫のキヤノン・ハーシーさんは、アーティストとして、広島に関わる作品をいくつも手がけてきました。祖父の遺した資料を調査する中で、谷本牧師が祖父にあてた手紙や、託した日記を発見し、この2人の友情を焦点とした映画制作を決定したということです。

キヤノン・ハーシーさん
「私たちは書類(日記)を調査する中で、谷本牧師の才能や、人々に知られていないことについて、たくさんの素晴らしい表現を見つけました」

近藤紘子さん
「うれしかったよ。もうおじいさんに言ったよ、大丈夫、孫はちゃんとやっているって」

映画は、日本とアメリカを舞台に来年、撮影が始まるということです。

近藤紘子さん
「アメリカの人がこれだけ広島のことを一生懸命してくださっているのに、広島の人、日本の人が世界に向けて核兵器反対を叫ばなきゃ」

広島でも、是非撮影したい、ということですが、適した場所があるかどうか、現在リサーチを続けている、ということです。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。