広島市北部で77人が犠牲となった広島土砂災害から20日で10年を迎えます。被災地では避難道路や雨水排水施設などの整備が続いています。

2014年8月20日の未明、安佐南区や安佐北区では線状降水帯による集中豪雨で土石流などが発生しました。災害関連死を含め77人が犠牲になり、住宅被害も4700棟以上に及びました。

最も被害が大きかった八木・緑井地区では10か所以上の渓流で土石流が発生し、60人以上が犠牲になりました。当時周辺には谷筋に沿った急な坂道や入り組んだ路地が多く、道そのものが土砂が流れ下るルートになり、被害が拡大しました。

災害後は避難道路などの整備が続く

災害後には山の斜面に対して横向きに逃げるための避難路「長束八木線」の建設が進められています。全長2・8キロのうち1・5キロが完成しましたが、新型コロナなどの影響で用地買収が難航。当初、今年度中の完成を目標にしていましたが、4年遅れになる見通しです。

一方で、「長束八木線」から幹線道路の国道54号につながる「川の内線」は予定通り今年度中の完成を目指しています。

また、避難路の地下には山から流れ出る大量の雨水を一時的に貯めて、住宅地の浸水被害を防ぐ巨大な雨水管も作られています。

提供 広島市

広島市が計画している避難道路や雨水排水施設などの整備の進捗率は、今年度末までに85%となる見込みです。広島市は「用地買収などを進め、住民が安心して暮らせるまちづくりを推進したい」としています。

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