イチゴと言えば、冬から春にかけて旬を迎える物がほとんどですが、夏に実をつける品種があるんです。この「夏イチゴ」を専門に育てる農園を奥村キャスターが取材しました。
盛岡市渋民の「玉山うるおいイチゴ園」です。
4棟のビニールハウスで育てられているのが…
「はいではこちらです 失礼します たくさんイチゴ、なってますねー!」
真夏の今、イチゴの実が真っ赤に色づいています。
園長の菊地さんは3年前にこのイチゴ園を始めました。
(玉山うるおいイチゴ園 園長 菊地潤さん)
「冬のイチゴは寒い中でもハウス内を25度ぐらいに保たなければならない。
そうなると暖房費がすごくかかってしまう。今は原油価格も高騰していますし
暖房を使わずに栽培が可能な夏イチゴの栽培を選択しました」
夏イチゴが収穫できるのは7月から10月のおよそ4か月間。
最盛期には一日に120キロの収穫があります。
しかし…
(2024年7月26日のニュースより)
(奥村キャスター レポ)
「真っ赤な夏イチゴが実ったハウスの中です。浸水してしまっています。水の深さは足首ぐらいまできています」
出荷のピークを迎えた7月下旬、秋田や山形に大きな被害をもたらした大雨の影響でハウス2棟が浸水しました。
(玉山うるおいイチゴ園 菊地潤さん)
「きょう分の出荷でだいたい100キロぐらいを考えていたが、これだと作業にならないので、お客様に謝る形でお断りしてある分だけお配りする」
水が引いた後、ハウス内の片付けなどをして、再び収穫ができたのは3日後。
収穫期を過ぎてしまったイチゴを廃棄したり、収穫スケジュールがずれたりするなどの被害がありましたが、イチゴは新しい実をつけて現在は順調に収穫・出荷が行われています。
「(この季節にイチゴができるんですね)
当園で栽培しているのは夏イチゴのすずあかねという品種を栽培しています。ミカンにも冬のミカンと夏ミカンがあるように、イチゴにも冬のイチゴと夏のイチゴがあって、花芽とか実をつける外気温の温度帯が違うんです そういう風に品種が分かれています」
食べごろのイチゴを特別にハウス内で頂きました。
(奥村キャスター食リポ)
「それではいただきます 瑞々しい!口の中に果汁がジュースのようにジュワっと広がります 酸味が結構あるので口当たりが爽やかで夏にピッタリですね さわやかな酸味と果汁がたっぷり入っているので美味しいと思います」
すずあかねの特徴はさっぱりとした軽やかな味わい、そして香りの豊かさに色の鮮やかさです。
「日本全国探しても生産量が少ないので、お菓子屋さんや一般のお客さんでもケーキを作りたいのにイチゴがないと。イチゴのショートケーキは年がら年中食べる物なので、今の時期にイチゴがあるんですねとか、すごくおいしいイチゴで良かったという声を聞くと嬉しい」
この「すずあかね」を使って玉山うるおいイチゴ園では、7月からキッチンカーで新たな商品の販売を始めました。
「(こちらの機械はなんですか?)冷凍フルーツを削るためのマルチスライサーです。(こちらを使ってけずりいちご?)そうですね 当園で栽培した夏イチゴのヘタを取って冷凍イチゴを作ってそれをこちらで削っています」
先週末は玉山夏まつりに出店し、用意した360杯が完売しました。
その作り方はいたって簡単。
凍らせた「すずあかね」を削り機に入れてヒラヒラと薄く削っていきます。
カップに山盛りになったら夏イチゴ「すずあかね」のけずりいちご、完成です。
(奥村キャスター食リポ)
「フワフワとろーり 生のイチゴで食べた時よりも味がギュッと濃縮されますね。甘酸っぱさが増します。口の中でイチゴに戻っていく感じ」
(菊地潤さん)
「まだ冬イチゴと比べて旬外れのイチゴみたいなイメージがやっぱりあるものですから夏イチゴは全く別の作物ですし、夏でもとても美味しいイチゴが食べられると色んな人に色んな食べ方で手に取ってもらって、夏イチゴの魅力が伝われば良いなと思っています」
けずりいちごは10月末ごろまで県内で行われるイベント会場などで販売されます。
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