かさばる楽器の代名詞ともいえる、ドラムセットを持ち歩けるまでに小型化することにこだわるプロドラマーによる、ちょっと変わったワークショップが遠野市で開かれました。

ワークショップの様子 中央でドラムセットの前に座るのが宮川さん

8月13日、岩手県遠野市民センターでワークショップを開いたのは、Aimerや近藤房之助といったトップミュージシャンのバックを務める、プロドラマーの宮川 剛さんです。
ワークショップには、県内のアマチュアドラマーや小学生が参加しました。

小学生も参加した

公演先のライブハウスやお店で、備え付けの楽器を借りることが多かった宮川さんは「自分が表現したい音が出せない」悩みを抱えていました。


「メーカーから小型のドラムが売られるようになったので使ってみたのですが、自分の気に入る音ではなかったし、小型とはいえ気軽に持ち運べるものではなかった。なら自分で作ってしまえと」と宮川さん。20年ほど前から、ドラムセットを小型軽量化することに自ら取り組み始めました。

ワークショップでは、宮川さん手作りの小型ドラムが披露されました。

太鼓類やシンバルは一つにまとまる

バスドラムは子供用の教育用の太鼓を再利用し、シンバルスタンドは譜面台を改造して軽量化。
ペダルは2つの異なる製品を合体させて加工して、折りたためるように工夫しました。
すべて合わせた重量はおよそ20キロ。

重さは一式約20キロ


太鼓類とスタンドなどのハードウェアや、シンバルをケースに入れて旅行キャリーに乗せて運ぶことができます。

キャリーに乗るドラム。これなら移動もラクラク!

宮川さんは「可搬性と表現力のせめぎあい音の表現力をいかに落とさずに小型化するかに苦労しました」と語ります。

太鼓やパーツの中古品をネットオークションやリサイクルショップで、安く入手して手作りしました。シンバルを除く製作費はおよそ1万円。

小型セットを演奏する宮川さん

小型セットは飛行機に手荷物で預けることができ、電車で移動することもできるといいます。

宮川さんの小型ドラムを叩いた参加者は、小さなドラムとは思えない豊かな音に驚いていました。

小型セットを試奏する参加者

宮川さんは「まだまだ改良の余地がある」「ドラムはかさばる楽器の代名詞で練習場所にも困る。工夫やアイデアを共有することでドラム仲間が増えたらいい」と話していました。

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