全国で熱中症への注意を呼びかける「熱中症警戒アラート」の発出が相次いでいます。そんな中で誰が言い始めたのか、よく聞かれるのは「昔はもっと涼しかった」という言葉。

熱中症予防には水分補給

本当に「今の方が暑い」のか?
それとも単なる記憶違いなのか?
気象データをさかのぼり、調べてみました。

データでみる“昔は涼しかったのか?”

今夏、石川県では「災害級の暑さ」になると予想され、実際に、梅雨明けした8月1日以降、熱中症警戒アラートが13日までに12回出されています。

過去の気象データが検索できる気象庁のWebサイトでは、1882年から金沢市のデータが閲覧できます。果たして、気象データ上でも「今は暑い」のか?

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7月の気温をさかのぼると、最も古いデータである1882年における最高気温の平均は23.4度気温30度以上の真夏日が9日、気温35度以上の猛暑日は0日でした。

過去の7月の平均気温をみると…
50年前の1974年が23.9度、
40年前の84年が26.0度、
30年前の94年が27.0度、
20年前の2004年が27.3度と徐々に上昇し、
10年前の14年が26.1度でした。

7月の平均気温の推移(金沢市)

年ごとの平均気温をグラフに表すと、140年の間に、徐々に上昇している様子が見てとれます。

さらに、10年間の気温の平均値を年ごとに示した折れ線グラフを重ねると気温上昇がより鮮明になります。

10年の移動平均線グラフを重ねると…

そして今年、2024年7月の平均気温は27.9度となり、50年前の7月と単純比較すると、約4度上がったことになります。

4度の気温差は、どれ程の物なのか

金沢地方気象台の担当者に話を聞くと、極端な例えだと前置きした上で「一つの季節が変わるほどの差。けっこう上がっていますね」とのことです。

気象庁は日本の月平均気温について1991年から2020年の平均値と、各年の気温を比較した「偏差」で統計をとっています。今年7月の日本の平均気温偏差については去年を上回る最も高い値となったと発表しました。

気象庁「7月の平均気温は上昇している」

気象庁では「日本の7月の平均気温は、様々な変動を繰り返しながら上昇している」としています。

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