17日間の熱戦に幕を閉じたパリオリンピック™。先週末には、近代五種で青森市出身の佐藤大宗選手が「銀メダル」を獲得しました。

112年の歴史に刻む偉業に、本人も家族も熱狂の一夜となりました―。

「初めて自分をほめたい」112年の歴史に刻む偉業 史上初のメダル

フィニッシュラインを越えた佐藤選手は地面に寝転がり、透き通るパリの青空をかみ締めるようにしばらく見上げました。日本時間11日未明に行われた「近代五種」男子決勝。最初の馬術で2位に入る好スタートを切ると、フェンシングと水泳でも上位をキープ。最後の競技となったランニングと射撃を組み合わせたレーザーラン。4位スタートで集中力を切らさず2人を抜き去りました。

表彰台では銀メダルを首からかけ涙を流して喜びました―。

近代五種史上初「銀メダル」を獲得 佐藤大宗選手
「日本人初のメダルを日本に持って帰られることは自分の使命・夢でもあった。それがかなって、今までの努力は報われた。近代五種をやって初めて自分をほめたい」

日本勢が表彰台に上がるのは1912年の「ストックホルム大会」で競技が採用されて以降初めてとなります。遠く離れた故郷・青森では家族が高校時代の恩師とともに快挙の瞬間を見つめました―。

「『親父おれはやったよ』っていうのが伝わって…」
活躍の姿を見守った家族たち

佐藤選手の姉・今 心さん
「本人は喋ってはいませんが『親父おれはやったよ』っていうのが伝わって…(涙を流す今さん)。がんばったなって…。本当によくやったなと感じましたね」

佐藤選手の姉・今 心さん

家で見守った母・薫さんは、パリに行く前に闘病中の父・勇蔵さんと佐藤選手が交わした「やりとり」が記憶に残っています。

佐藤選手の母・薫さん
「『お前まだ完全に最後までやりきっていないだろ』と(父から)言われて、さらにスイッチが入ったようです」

佐藤選手の母・薫さん

青森山田中学高校時代に水泳部で6年間指導した相馬季明副校長も、教え子の偉業に目を細めました。

「親父に『良かった』と言われるのが楽しみ」競技引退も考えた過去

青森山田高校 相馬季明副校長
「水泳、そしてレーザーラン。表彰台で涙して一緒に泣いてましたよ。努力したのかなと思いますけどね。かなり見えないところでですね。泳ぎ的にはいいセンス持っていたと思いますよ。当時から」

東京オリンピックの出場を逃し、競技引退も考えたとき、家族や恩師の言葉に突き動かされ112年の歴史の扉をこじ開けました。

近代五種史上初「銀メダル」を獲得 佐藤大宗選手
「親父の分も、そして家族、親父を支えている家族、みんながんばっているので自分も負けずにメダルを取って、いい報告をして親父に『良かった』と言われるのが楽しみ。青森の地酒の『豊盃』っておいしいですけれども。おちょこ一杯だけでもいいので、ちょっと乾杯したいなと思っています」

2028年のロサンゼルスオリンピックでは、馬術が外れるため現在の形では最後の実施。競技発祥の地で成し遂げた快挙は、色あせることなく輝きを放ち続けます。

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