新潟市の総務部人事課が管理するネットワークハードディスクに、業務上の必要性がないにも拘わらず不正にアクセスするなどして、人事異動情報が記載されたファイル延べ1,400以上を閲覧・収集していたとして、新潟市は総務部の40歳代の係長を9日付で停職3か月の懲戒処分にしました。

この職員は、2020年10月から2023年11月までの間に、自身が業務で使用するパーソナルコンピュータで、給与実績や勤務歴などの人事情報が記されたファイルを閲覧・収集していたもので、新潟市によりますと、1つのファイルには数千人規模のデータが入っているということです。

市では、2023年10月に他の職員から「この係長に怪しい不審な動きがある」と寄せられた情報を受けて内部調査をすすめて具体的な内容を確認。同年12月に警察に相談をしました。
業務用パソコン以外での閲覧や、スマホその他の外部端末へのコピーなどの流出も心配されましたが、ログ解析や警察の捜査ではそういった事実はなかったということです。

新潟市総務部の40歳代の係長はその後「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」違反の疑いで略式起訴され、2024年7月に罰金20万円の略式命令を受けていました。

新潟市の人事課によりますと、ネットワークハードディスクには定期的なパスワード変更などのセキュリティ対策を講じたうえで、そのパスワードも人事課以外の職員が知り得ないように運用していましたが、この総務部係長は業務上与えられた権限を悪用してパスワードを取得し、ファイルへの不正アクセスを繰り返していたとみられています。

係長は新潟市の内部調査で「自己の興味・好奇心を満たすためにした」と話していたということです。

また新潟市では9日付で、この係長の上席にあたった5人の職員についても懲戒や訓告の処分を行っています。

市の職員が懲戒処分を受けたことについて、新潟市の中原八一市長は「法令を遵守し、公正に業務を遂行することが求められる公務員の立場にありながら、部外秘の人事異勤情報を閲覧・収集するといった不正アクセス事案を起こしたことは誠に遺憾であります。今回の事態を重く受け止め、今後はこのようなことが起こらぬよう、改めて全職員に情報セキュリティポリシーの遵守や個人情報の適切な取り扱いを徹底するよう指示したところであり、再発防止に取り組み、市民の皆様の信頼回復に努めてまいります」とコメントしています。

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