大阪の宝飾店で起きた強盗殺人事件。逮捕された中国籍の男はゴム製のマスクで頭をすべて覆い、変装して店を訪れていました。


(関西国際空港 記者リポート)「男はこのあたりで確保されたということです」


 警察官に囲まれてうつむく男。関西空港の国際線エリアで緊急逮捕された中国籍の后馭波(コウ・ギョハ)容疑者(27)です。

 后容疑者は、7日午後1時40分ごろ、心斎橋の宝飾店で販売価格約6300万円のスイス製高級腕時計「パテック・フィリップ」一点を奪い、店員の弘中辰弥さん(30)の右腹部を刃物で刺した疑いがもたれています。

 弘中さんは、その後死亡しました。
 
 現場を目撃した人は、「(男性は)喋れる状況ではなかったです。うめき声をずっとあげていた」と話していました。

 また、容疑者を目撃した人は、「逃げてくるのを見た。髪型はスキンヘッドで…」と話していました。


 当初、警察は目撃情報などから、「逃げた犯人はスキンヘッド」だと発表。しかし、確保された后容疑者の姿は目撃情報とは大きく異なっていました。

 一体どういうことなのでしょうか…

 7日午後、宝飾店に来店した容疑者。実はこのとき、ゴム製のマスクを被り、その上から、サングラスと白マスクをして変装していたのです。

 「時計を見せて欲しい」と依頼された女性店員は店内の商談スペースで時計を提示。すると后容疑者は、女性に刃物をつきつけ時計を強奪。

 外に逃げようとしたところに立ちふさがった店員の弘中さんの腹部を刺して、逃走したとみられています。

 防犯カメラに映るのは、犯行からおよそ7分後、現場近くの路地で何かを投げ入れる后容疑者。

 マスクは脱いでいて行ったり来たりを繰り返し、最終的にフェンスに手をかけ…乗り越えていきました。

 警察によりますと、現場近くの空き地から犯行に使われたとみられる包丁と変装用のゴム製のマスクが見つかったということです。

 后容疑者は警察の調べに対し「店員を刺した」と容疑を認めているということです。
 
 警察は后容疑者が入念に計画したうえで、奪った腕時計を持って出国しようとした可能性もあるとみて詳しい経緯を捜査しています。

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