仙台市宮城野区で8月、地域の夏まつりが行われました。この祭りで子どもたちがまちの景色や思い出を歌詞に織り込んだ新しい盆踊りを踊りました。果たしてどんな仕上がりになったのでしょうか。

子どもたちが街で集めるものは…

8月3日、宮城野区原町で開かれた夏まつりで、参加者が踊っていたのはレゲエ調の盆踊り。この日のためのオリジナル盆踊りです。

この盆踊りを前にした7月、地域の子どもたちがノートとペンを手に原町地区を歩いていました。地元の景色や思い出を歌にして、新しい盆踊りを作る取り組みです。

企画したのはNPO法人「アートワークショップすんぷちょ」。2年前から原町を拠点に活動しています。

アートワークショップすんぷちょ 及川多香子さん:
「原町のなかで、みんなが交流するようなことを、ダンスを使ってやりたいなと思った」

原町小学校までやってきた子どもたち。なにやら木の実を見つけたようです。そして、神社へ。街の歴史にくわしい男性に出会いました。男性から教えてもらったことをノート書き込みました。

30分ほど街を歩き回って見つけたキーワードで歌詞を作りました。

子どもたちが収集した言葉は…

そして、すんぷちょの活動をサポートする、ダンサー兼ミュージシャンの大久保潤さんが、歌を作る手伝いをします。

作曲を担当するアーティスト 大久保潤さん:
「見えたものとか、感じたものとか、においでもいいし、景色でもいいし、文字でもいい」

子どもたちが挙げた言葉は「草取りのおじさん」。「カレーのにおい」。「ゴミ捨て場」。さて、どんな歌になるのでしょうか。

参加した子ども:
「まちにいろんな建物があってみんなで探しながら散歩したのが印象に残った。聞いたらみんな笑顔になる歌になってほしい」

大久保さんの普段のお仕事は…

実は大久保さん、普段は仙台市の児童館で働いています。

大久保潤さん:
「だれかとなにかを一緒に作っていく経験、それは子どもたちにとってはすごく重要。大人もそれが楽しいって思い出せる機会になればいい」

踊りの振り付けも子どもたちが考えました。披露するのは原町の夏祭りです。

迎えた夏祭り当日。祭りは地元の人たちで賑わいました。

新盆踊り「ゆかいなはらのまちの風」

そして、いよいよ新しい盆踊りです。みんなで考えた歌のタイトルは「ゆかいなはらのまちの風」。

歌詞:
「壊れた時計が捨てられたゴミ置き場で、なにか思い出すように立ち止まってたカレーライスの匂いが強烈に流れて、フルカラーの君が見える」

曲は大久保さんが作りレゲエ調に仕上げました。街歩きをして見つけた原町の景色が夏の思い出に加わりました。

参加した子ども:
「いつもより楽しい踊りが出来たのでうれしかったです」
「原町らしかった」

アートワークショップすんぷちょ 及川多香子さん:
「作るプロセスでいろんなひとが仲良くなったのでそれが一番よかった。」
大久保潤さん:
「もう最高でした、楽しかったです。完ぺきに踊るというよりも雰囲気を楽しむというのが伝わってきた。ローカルだけどすごく愛される曲になってほしい」

子どもたちは、来年の夏祭りでもまたこの曲で踊ることを楽しみにしています。

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