生活保護の「扶養」を巡り、群馬県桐生市などで不適切な運用が相次いでいるとして、弁護士や有識者らでつくる生活保護問題対策全国会議などが6日、厚生労働省に要望書を提出した。問題の背景には、厚労省が自治体に出した通知があるとし、内容を改正するよう求めた。

◆厚労省が「指導すること」などと自治体に通知

厚生労働省に要望書を提出した生活保護問題対策全国会議の小久保哲郎弁護士(右)ら

 生活保護では、自治体が申請者の親や子などに、金銭面や精神面で援助できるかを問い合わせる「扶養照会」が多く行われる。群馬県が桐生市に行った特別監査では、生活保護を却下した際、親族から提出された扶養届の金額が増やされていたり、仕送り額が1円単位になっていたりと、不自然な部分があることが判明していた。  要望書は桐生市などが仕送りの強要に加え、「扶養の偽装」によって申請却下や保護の廃止、保護費の削減などをしていたと指摘。厚労省は通知で、生活保護が必要な人に対し、家族らに扶養を求めるよう「指導すること」などとしており、「問題のある表現」だとして削除を求めた。  会見を開いた全国会議事務局長の小久保哲郎弁護士はこうした通知について、「自治体の問題を誘発しており、改善の必要がある」と訴えた。(中村真暁)


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