バイオテロにも使用される恐ろしいボツリヌス菌による「ボツリヌス症」が富山県内で初確認されました。バイオテロにも使用される恐ろしいボツリヌス菌、その危険性を専門家に聞きました。

富山市で先月、10代から80代の家族4人が目の異常や呼吸困難などの症状を訴え、うち3人が重症に。

診断名は「ボツリヌス症」。県内で初めて確認され、自宅で食べたものが原因とみられています。

「ボツリヌス症」とは一体。県衛生研究所の大石和徳所長は。

県衛生研究所 大石和徳所長:「物が二つに見えるとか、眼瞼(まぶた)が垂れ下がってくるとか、そういう神経症状。それ以外にも全身の弛緩性麻痺って言うんですけど、呼吸することができなくなるような状態に陥っていく。病気としては大変怖い病気なんですね」

「辛子レンコン」や「いずし」で発症例も

大石所長によりますと、「ボツリヌス症」は、土の中などに存在する「ボツリヌス菌」が酸素が無い状態のときに強い毒素を発生させ、その毒素がついた食品を食べることで引き起こすということです。

原因となる食品の多くは、保存食品や発酵食品で、国内では過去に熊本県の郷土料理「辛子レンコン」や「いずし」などによる食中毒も発生しています。

ボツリヌス菌が発する毒素は、とても危険です。

県衛生研究所 大石和徳所長:「ボツリヌス毒素を菌から増やして生成したものは極めて毒力が高いわけです。本当に微量で人に接種されると、神経毒なので呼吸ができなくなって死んでしまうわけですね。バイオテロにも使われるような毒素なので、特殊病原体として、このボツリヌス菌は国でも特別な扱いをされているということですね」

今回、富山市で確認された事例について、原因となった食材は、分かっておらず、特定が進められています。

大石所長は予防法について、缶詰や真空パックの食品、発酵食品などは、期限内に食べること、またパッケージが異常にふくらんだり異臭がしたりする場合は、食べないよう注意を呼びかけています。

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