猛暑による熱中症が相次ぐ中、名古屋市では救急車をフル稼働させて対応にあたっています。
救急の最前線は、どんな状況になっているのでしょうか。
猛暑の中で増え続ける“救急出動”
炎天下、救急車のサイレンが街の中を響き渡ります。
(救急隊員)
「左足つま先にかけてのしびれ」
(通信指令)
「火事ですか?救急ですか?」
「トイレ内で熱中症のような症状とのこと」
あまりの暑さが続く中、熱中症患者からの「SOS」です。
名古屋市内の1年間の救急出動件数は、右肩上がりで増加中。特に去年7月は月間1万5000件を超え、過去最多となりました。
ことしは、それをさらに上回るペースです。しかし、救急車の数には当然ながら限りがあります。そのため…。
(名古屋市消防局 小川拓弥さん)
「救急車の到着が遅れる場合がある」
暑すぎる夏の緊急事態に、名古屋市消防局はどのように対応しているのでしょうか。
限られた救急車を有効に使うために…
(記者)「出動ですか?」
(救急隊員)「今から東山出張所へ行きます。出動ではない」
救急車の配置替えです。
名古屋市民約230万人の命を支えているのは、49の救急隊。
普段は、基本的に区ごとの消防署でカバーしているのですが、この日は中川区の消防署にある救急車を、夏場の出動が多い千種区の東山出張所へ移動。
限られた“資源”を有効に活用しようというのです。
午前9時ごろ救急車が到着すると、すぐに出動の要請です。
向かった先は東区内の交差点。通報から約7分で駆け付けました。
(救急隊員)
「飲み物を飲んだら、血圧を測ります」
手足のしびれを訴え、119番通報したという女性。救急隊員は熱中症の疑いを指摘します。
(名古屋市消防局 市野雄哉さん)
「手のしびれとか熱中症のような症状が出て、本人からの救急要請」
女性の症状は軽く、そのまま救急車で病院に搬送されました。
出動率80%を超えると…“到着に遅れ”の可能性
その頃…24時間体制で119番通報を受け付ける通信司令センターでは。
(通信司令)
「熱中症っていうのは、お聞きした。『気持ち悪い』『頭が痛い』そういった症状ありますか?」
そして、事態の緊迫を告げるアナウンスが。
「救急隊稼働率が70%を超えました。これより『警戒モード』とします」
この日は、救急隊の出動率が70%を超え「警戒モード」に入りました。
7月26日には、出動率が80%を超えて名古屋で初めての「救急隊ひっ迫アラート」を発表。
(名古屋市消防局 小川拓弥さん)
「80%を超えると、名古屋市でも救急車の到着が遅れる場合がある」
命を守る救急の最前線。
(名古屋市消防局 市野雄哉さん)
「気候が暑いので、救急隊も疲れは感じます」
「出ますね、出動です」
インタビュー中にも…「出動要請」です。
市民からの「SOS」は、鳴り止みません。
もちろん命の危険がある場合、ためらわずに119番通報が必要ですが、熱中症にならないための対策も忘れずに取り組んで欲しいと名古屋市は呼びかけています。
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