夏場に気を付けたいのが食中毒。
目に見えないだけに、危険に気が付きにくいが、注意しなければならない。
特に、黄色ブドウ球菌は身近にある恐怖だという。
気を付けるべきはどういうことなのか、村山保健所に聞いた。
◆気を付けたい食中毒 "身近な"黄色ブドウ球菌
黄色ブドウ球菌は、拡大してみると、丸い影がブドウの房のように見えることからこのような名前が付けられたという。
人の手や動物の皮膚などでも確認されるが、厄介なのが排出する毒素だ。
菌が食べ物の中で増殖するときに排出する毒素。
―エンテロトキシンー
これはガスコンロで火にかけて加熱した程度では壊れず無毒化されないのだ。
この毒素が一定数体内に取り込まれると、潜伏時間の1時間~5時間で、吐き気や嘔吐、腹痛、下痢などの症状をもたらす。
食中毒の発生である。
食中毒には予防するための3原則というものがある。
それは・「細菌をつけない」・「細菌を増やさない」・「細菌をやっつける」というもの。
穀物加工品や弁当、菓子類など手作業が入るものは、手や指からの二次汚染が心配されため注意が必要だ。
手で握るおにぎりもその一つ。ここからは、おにぎりについて考えていきたい。
◆「細菌をつけない」つくり方は…
まず必要になるのは「細菌をつけない」こと。
つまり手に、菌がついていない状況をつくることが必要になる。
そこでポイントになるのは、2回手洗いだ。
薬用せっけんを手に取り、手を洗って流し、その後、もう一度手を洗って流す。
1回目で手の表面の油脂を流し、2回目の手洗いで手の皺などに入った細菌を洗い流すイメージとなる。
こうしてしっかりと手洗いをしたうえで、アルコール消毒等を行うとよい。
黄色ブドウ球菌は、化膿菌でもあるため、手の傷や化膿した箇所が食材に付かないようにしたい。傷には耐水性の絆創膏を貼ったうえで手袋をするなどの対策も有効だ。
調理器具もしっかりと洗って、菌がいない状況を作っておきたい。
さらに具材にも注意だ。
せっかく手から、食材に菌がうつらない状況を作っても、調理から時間がたった具材を使っては意味がない。
具材を作る際にも同様の対策が必要だ。
◆作った後は…
菌は、室温に長時間保存すると爆発的に増加する。
そのため、クーラーが効いているからと部屋の中に長い時間置いておいたものは食中毒のリスクがある。
できるだけ作ったらすぐに食べるのがよいが、やむを得ず、直ちに食べられない場合は、食品は10度以下で保存し、菌が増えるのを防ぐ必要がある。
保冷剤・保冷バッグで温度管理をしながら、なるべく早く食べていただきたい。
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