農業体験をして観光も楽しめる。そのうえ、農家は大助かりという新たな試みが始まりました。

鈴なりのミニトマト、真っ赤でおいしそうです。農業が盛んな北海道後志の仁木町は道内一のミニトマトの生産地。いま、収穫が真っ盛り。農家は大忙しです。

 仁木伸和農園 八田明日香さん
「人手は全体的には不足している状態」

そんな人手不足の農家が頼りにしているのが…観光バスで畑にやって来た一行です。
作業服に着替えて…

収穫「パチン、パチン」

18人のローラー作戦でトマトとミニトマトをどんどん収穫していきます。

 仁木伸和農園 八田明日香さん
「仁木町にわざわざ来てもらい、こうやって農家やっているんだなと少しでも感じてもらえたら」

 大活躍の皆さん、実はこれ「1日農業アルバイト」を体験するバスツアーなんです。

20代男性
「祖父が農家をやっていて興味があった」

人手不足の波は農業にも及んでいます。道内で農業の仕事をする人は約7万人。後継者や新規就農者が少なく、農家の約4割は65歳以上です。

 1日だけでも働いてくれる人材が欲しい。道は1日農業アルバイトの魅力を発信しようと、今回のバスツアーを企画しました。

 北海道農政部 高楠聖佳さん
「農業アルバイトに来る人が、観光も一緒に楽しんでもらう取り組み」

道は7月、1日単位でできる農業アルバイトの魅力を紹介するサイトも開設しました。

畑の周りにある隠れた名所や宿泊施設を掲載。旅の楽しみ方として農業アルバイトをする観光客が増えつつあるといいます。

 20代男性
「赤いトマトを見つけたときうれしい。こんな暑い中でトマトをとっていて本当に農家は大変だなって」

ツアーとはいえ、観光農園ではなく農家の畑。観光気分を取り払って仕事に打ち込みます。

太田湧一朗 記者
「食べ物への感謝の気持ちが広がります」

目標を達成してバスで向かった先には、「お楽しみ」が待っていました。

 参加者
「すごくおいしい!」

一生懸命、仕事したぶん、おいしさが身に沁みます。

50代男性
「ふだんできないことができたのはすごい楽しかった」

40代女性
「農家でアルバイトして観光もっていうのをやってみたい」

 観光と農業のマッチングが、担い手不足を解消する切り札になるかもしれません。

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