パリオリンピックが開幕しましたが、未来のオリンピアンを目指して輝きはじめた新しい才能が福山市にいます。今月、14年ぶりに中学日本記録を更新した “日本最速” 女子中学生・三好美羽 選手です。「陸上の楽しさを知ってもらいたい」とインスタでも発信する中学3年生。彼女の素顔と将来の夢について聞きました。

7月の大会でぶっちぎりでゴール! 14年ぶりに日本記録更新

楽しそうにお好み焼きを食べる元気な女の子。広島のどこにでもある普通の光景ですが、実は彼女は女子100メートルの選手、福山市立神辺西中学校3年の三好美羽さんです。

7月6日に行われた全日本中学校通信広島大会では、スタートで飛び出すと…ぐんぐん加速してぶっちぎりでゴール! 14年ぶりに日本中学記録を更新した、今、日本で一番速い女子中学生です

美羽さんが、この日に食べたのは、福山の子らしい3品。
 ・お好み焼きそば肉玉砂ずりチーズマシマシ
 ・関東煮
 ・すなずり塩焼き

普通の中学生のように天真爛漫な美羽さんの大躍進に、幼いころから知る美羽さんの両親の友人は驚きを隠せません。

美羽さんの両親の友人
「急に『陸上日本一』とか聞かされたのでビックリして…」
お店のマスター
「YouTubeにすごい子が出ているなって、ちょこちょこ見るんです。それを見て、『まさか三好くんの子!?』ってびっくりした」

“短い時間で人を感動させられる” インスタで楽しさ発信

陸上を始めたきっかけは、涙が出るほどあこがれる同じ広島出身の 山縣亮太 選手でした。いつか自分もあこがれられる存在になって陸上をもっと盛り上げたい―。

そんな美羽さんの武器は、ダイナミックなフォームで繰り出す「3歩目からの加速」です。スタートからほかのランナーを大きく突き放す姿は、一度見たら忘れられないほどに鮮烈。

しかし、コーチを務める 高地浩司 さんは、その内面に強さを見いだしています。

美羽選手のコーチ FAST 高地浩司 さん
「一番の強みは『考える力』。考えたことを自分で体で表現できる。それが一番の強みかなと思います」

考えたことを体で表現できるだけでなく、情報の取捨選択に秀でているのも三好さんの強み。海外の選手の動画やリモートレッスンから自分に合ったものを取り入れ、練習を重ねていますが、中学記録の更新は想像していませんでした。

そんな中、大きなきっかけとなったのが、全国の猛者たちが集う、日本選手権への出場です。

三好美羽 選手
「やっぱり日本選手権で準決勝まで行けたというのが、自分の心を強くするきっかけだったかなと思います。大人の人と勝負すると、県大会はそれより緊張しないじゃないですか。だから気楽に行けたというか。(中学新記録がでたときは)やっぱうれしい。言葉に表せないくらいうれしい」

成長を支えているのは落ち込んだ時に出合った “多くの言葉”

経験を糧にすさまじいスピードで成長していく三好美羽選手。そんな彼女を支えているのは、陸上で落ち込んだ時に出会ったたくさんの「言葉」でした。

三好美羽 選手
「ヘルニアとかでけっこうガクンと落ちたときがあったんですけど、その周りの人がめっちゃ助けてくれるんですよ。『大丈夫、まだ大丈夫』とか、『これから取り戻せる』とか。周りの言葉に支えられてここまできたので、なんかもう支えられてるんだって思って走ってますね」

大きな大会に出場し、日本を代表する選手との交流も増えた美羽さん。その時に聞いた「ピークの時だけ良ければいい」という言葉にも励まされました。多くの支えを胸にスーパー中学生が夢みる将来とは…

三好美羽 選手
「日本人初の個人でオリンピック。100m個人でオリンピックってところも前までは全然、意識したことなかったんですけど、まだ伸びしろ、最近あるんじゃないかなって思っていて、個人の100mでオリンピックに行くというところをゴールとして、ちょっと今からがんばりたいなって思います」

美羽さんのインスタグラムのフォロワー数は3万8000人! あこがれの山縣選手らのファンサービスに感銘を受けて、「陸上の楽しさをみんなに知ってほしい」との思いでやっているそうです。

筋トレは、すればさらに早くなる可能性はありますが、身長が伸びにくくなるかもしれないので、ほとんどしていないそうです。まだまだ将来の伸びしろがいっぱいの中学生! これからの活躍にますます期待です。

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