1997年にデビュー「500系」車両 2027年をめどに引退へ
現在、新大阪と博多の間で「こだま」として運行されている山陽新幹線「500系」車両。7月24日、JR西日本は2027年をめどに営業運転を終了することを発表しました。
この500系車両がデビューしたのは1997年3月。当時の世界最高速度、時速300キロの「500系のぞみ」として山陽新幹線に登場しました。
今回の「広島あのとき」では、山陽新幹線に500系車両がデビューした当日の様子を振り返るとともに、その車両開発にあたって必要なデータを集めるために導入された高速試験列車「WIN350」について、報道向けの試乗会が開催された時のニュース映像から試乗レポートをお届けしましょう。
JR西日本の次世代新幹線開発 高速試験車両「WIN350」に試乗
1995(平成7)年10月20日
本名正憲アナウンサー(当時)
「これがWIN350です。その名の通り時速350キロで走る実力を持っているんですけど、300キロの試験走行に私も参加することができました」
JR西日本は、当時の「のぞみ」を上回る最高時速300キロの次世代新幹線を開発していました。必要なデータを集めるのが、高速試験列車「WIN350」でした。この日は広島と博多の間で繰り返されていた走行試験が報道陣に公開されました。
開発に苦心したというT型パンタグラフ。空気抵抗をギリギリまで切り詰めた結果、この形となりました。
高速走行試験中「WIN350」運転席へ 時速300キロを体感
本名正憲アナウンサー(当時) 運転席にて
「もう徳山のあたりかな。いや、でも新幹線の一番前の車両に、このように乗っているなんて最高の気分ですよ。時速は今、266キロだそうです。これからグッとスピードを上げて300キロになるんですけど…」
車内アナウンス
「速度301…」
本名正憲アナウンサー(当時)
「小郡駅を出まして10分ぐらい経ったでしょうか。時速300キロを超しました。でも普通の『のぞみ』とあまり変わらないですね。乗り後ごちとか騒音も。あと景色を見ても、のぞみよりスピードが1割くらい上がっただけですから、そんなに速いなという感じは、ビックリするほどは速くないですけど、それが現代の最先端のテクノロジーという、速さを感じさせない速さというものではと思います」
本名正憲アナウンサー(当時)
「新幹線ののぞみとほぼ同じ時間で博多に到着しました。途中小倉に停まりまして、時速300キロを出したといってもほんのわずかの区間ですからあまり変わらないわけですね。博多の空も広島と同じ青空であります」
「500系のぞみ」デビュー 新大阪~博多を1日1往復
1997(平成9)年3月22日
フランスのTGVと並んで当時世界最高速度の時速300キロの新幹線「500系のぞみ」がこの日、運転を開始しました。この「500系のぞみ」は、博多と新大阪間を2時間17分で1日1往復するもので、JR西日本のダイヤ改正に伴いこの日から運転を開始しました。
それまで広島と新大阪の間は1時間24分だったのが9分短縮されて1時間15分となりました。
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