衆議院の任期はあと1年3か月となり、次の選挙に向けた準備も始まっています。

長野県内の選挙区の候補者や構図はどうなっているのか?
1区から5区までの状況を順次お伝えしていきます。
今回は長野1区です。


若林健太(わかばやし・けんた)議員(自民・現):
「着実に予算が付いて地域の社会が変わっていく。そのことを見るにつけ、いま北信は動き始めた」

長野市街地の交差点に立つ自民党の現職・若林健太さん。

大通りなどを中心に、毎朝1時間、街頭演説を続けています。

話題は安全保障を中心に、農政や経済、そして地方と国政のパイプ役としての実績も訴えます。

「与党代議士としての仕事は、まさにこの国と県と市をつないで、具体的な地域の課題に答えを出していくことだと思っています。私はそれをやってきたし、この先10年、20年先をしっかりと課題解決に向けて、取り組んでいけるのは私だと。それが自分の強みだと思っています」

税理士、公認会計士の若林さんは1991年に長野市に会計事務所を設立。

2023年に亡くなった元農林水産大臣の父・正俊(まさとし)さんの政策秘書などを経て、2010年の参議院選挙で初当選しました。

2016年の参院選では、新人の杉尾秀哉(すぎお・ひでや)さんに敗れましたが、前回2021年に鞍替えした衆議院の長野1区で初当選し、衆議院は1期目です。

自身もパーティー券問題で不記載を訂正し、次の選挙でも争点の1つになるとみられる政治とカネの問題については、更なる改革の余地があるとします。


「(政策活動費や文書通信費は)まだはっきり改正の方向が決まっていないところがある。それについては、基本公開をするということを前提に前に進める必要があると思っています。ただいったん与野党が合意をして決めたルールにまずは従って、再発防止をきちっと行っていくことが大事ではないかと思っている」



立憲民主党の現職・篠原孝(しのはら・たかし)さん。

国政報告として、2006年から毎週月曜日に長野駅前などで街頭に立っています。

「私は蓮舫さん、実は8年前に代表選に出る時に、相当抵抗してたんです」

この日の話題は都知事選や中国への視察旅行など、身近な出来事を中心に、党内にも意見をぶつけました。

「僕は遠慮するところがない。遠慮する必要がないので、ご意見番みたいな、そうなっているか分からないけどそういう気持ちでやっています。誰も言い出しにくいことを、だけど、きちんとしろと」

篠原さんは中野市出身の元農林水産省の官僚で、2003年と2005年の選挙に長野1区から立候補し、ともに自民党の小坂憲次(こさか・けんじ)さんに敗れましたが比例復活で当選。

2009年に選挙区で初当選したあと、12年、14年、17年と4回連続で勝ち、21年の選挙は若林さんに敗れましたが比例復活しました。

「誰が相手でも淡々と戦う」とし、党の支持率が上がっていないことも認めたうえで、次の選挙の争点は国政の転換だと主張します。


「政権交代です。それは僕をこの世界に引っ張り込んだ羽田孜さんがずっと言っていたことで、日本の政治を変えるには自民党と産業界の癒着、ぜんぶ自民党一色なんでこんな異様な国はない。だから(羽田さんは)自民党を飛び出したんで、それを完成させたいだから協力してくれと言われた」



2人の現職に対して、国政に初めて挑むのが日本維新の会・新人の若狭清史(わかさ・きよし)さん。

税務会計コンサルタント会社の役員として地方創生に携わる傍ら、友人のプロ野球選手を呼んで少年野球教室を主催するなど、地域を盛り上げる活動を行っています。

「いろんなところにお願いしててもなかなか実現しないもんですから、自分で行動を起こしてやるということで、スポーツ大会だけではないんですけど、ゴミ拾いとかもそうですし、夜回りとかいろんなことをやっているんですけど、その中の一つとして、きょうは野球教室を子どもたち支援ということでやらせてもらっている」

若狭さんは2013年の長野市長選で市民有志の立候補要請を受けますが出馬はせず、2015年の県議選では長野市選挙区から出て落選。

2023年7月に日本維新の会に入り、長野1区の支部長になりました。

いまのところ現職2人に挑む構図で「厳しい戦い」だと話しますが、2012年には旧維新の会の候補者が比例復活していて、政治不信の受け皿として、民間での実績が生かせると話します。


「私はしがらみが何もないので、しがらみがないところでは、そういったところを評価していただける方に訴えていきたいので、層はかぶるところはかぶるかもしれないですけど、自分の気持ちをどんどん訴えていく、お2人と戦うというよりも、自分のものを見てもらうという戦い方になるかと思っています」

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