こちら、数十年に1度花を咲かせるといわれている、「リュウゼツラン」です。
鳥取県米子市でいま、辰年にあわせるかのように開花しました。
実はこのリュウゼツラン。今年、各地で相次いで開花しているのです。
いったいなぜななんでしょうか?


ながーく茎を伸ばし、先端付近に黄色い花を咲かせているユニークな姿をしたこちらが「リュウゼツラン」です。

数十年に1度花を咲かせるというメキシコ原産の多肉植物で、根本の葉が長くて厚くその形が「竜の舌」を思わせることから竜の舌の蘭、「竜舌蘭」と名付けられたといわれています。

このリュウゼツランが植えられているのは、米子市にある山﨑整形外科クリニックで、山﨑院長によると、今年の5月上旬に根本から茎を伸ばし始めたのに気づいたとのこと。
そこからニョキニョキと急激に成長し、6メートルほどの高さにまで達しました。

山﨑整形外科クリニック 山﨑大輔 院長
「これが植えて11年くらいになるから思い入れはあったけど、開花に立ち会えてよかった。何十年先かなと思っていたけど、今年辰年で咲いた」

辰年に合わせ咲いたリュウゼツランの奇跡。実は、この奇跡が各地で相次いでいるんです。

こちらは三重県志摩市にある複合リゾート「志摩スペイン村」で咲いたリュウゼツラン。1994年の開園当初に植えたリュウゼツランが30年の時を経て咲いたといいます。

いったいなぜ、全国で相次ぎ開花しているのか…専門家に話を聞くと、大きく2つの理由が考えられると話します。

中部大学応用生物学部 堀部貴紀 准教授
「まず1つ目は、日本国内に自生しているリュウゼツランの個体数が増えていると思われる。リュウゼツランというのは昭和30年代ごろのサボテンブームの時に、日本にたくさん入ってきたようです。そして日本に入ってきたリュウゼツランの一部が、例えば庭先とかから屋外に流出して日本で繁殖をして増えているのではないかと思われる」

国内における個体数の増加。
加えて、近年の温暖化も要因の一つと考えられています。

中部大学応用生物学部 堀部貴紀 准教授
「リュウゼツランというのは暖かいところが好きな植物。そしてリュウゼツランは大きくなると花を咲かせるという性質がある。なので、平年よりも気温が高くなったことでリュウゼツランの生育にとって良い気候になって開花する個体が増えたのではないかと思う」

辰年に合わせるかのように相次ぎ咲き誇るリュウゼツラン。
一方でちょっと悲しい現実も…

リュウゼツランは生涯で1度しか咲かず、咲いた後は枯れてしまうというなんとも切ない植物なのです。

米子市のこちらのリュウゼツランも以前取材したときと比べると、少し傾き、幹の部分が茶色くなっているように見えます。

山﨑整形外科クリニック 山﨑大輔 院長
「花が枯れて幹もだんだん茶色に枯れていって、最後はもう根元まで全部枯れてなくなってしまうので、最後は何もなくなってしまう。気が付かれた人はぜひ来ていただきたい」

山﨑院長によるとリュウゼツランはあと1~2週間ほど花が咲いている様子が楽しめるのではないかとのこと。
貴重な花をぜひこの機会に一度見てみてはいかがでしょうか?

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