日本原子力発電(原電)が再稼働を目指す敦賀原発2号機(福井県敦賀市)を巡り、原子力規制委員会の審査チームは26日の会合で、原子炉建屋直下に活断層が通る可能性があると結論付けた。規制委は今後、原発の新規制基準に不適合と正式に判断する見通しで、2号機の再稼働は認められない。不適合となれば国内の原発で初めてとなり、日本の規制で商用炉が再稼働できないのも史上初のケース。敦賀2号機は廃炉の可能性も出てきた。(渡辺聖子)

◆「K断層、原子炉建屋直下にまで延びている可能性あり」

 東京電力福島第1原発事故後の新規制基準は、地震を引き起こす恐れがある活断層の上に原子炉などの重要施設を設置することを認めていない。  審査は2号機から北約300メートルにある「K断層」について、将来動く活動性があるかどうか、建屋直下まで延びる連続性があるかどうかが焦点となった。原電は地層の年代や性状などの調査結果を根拠にして、活動性と連続性のどちらもないと主張した。

敦賀原発2号機(資料写真)

 一方で、審査チームは5月の会合で活動性について原電の主張を退け、「活動性を否定することは困難」との結論を出した。この日の会合は、連続性について議論。審査チームは、K断層が原子炉建屋直下にまで延びている可能性があると判断した。

◆2号機は1987年に運転開始、震災後から停止中

 敦賀原発の敷地内断層を巡っては、規制委の別の専門家チームが2013年に2号機直下の断層を活断層とする報告書をまとめた。原電はこれに反論して2015年、再稼働に向けた審査を規制委に申請した。  しかし、原電によるデータの書き換えや誤記が発覚し、審査はほとんど進まないまま2021年と2023年の2度にわたり中断。規制委は原電に申請書を修正させ、昨年9月に審査を再開した。  2号機は1987年に運転を開始し、東日本大震災後の2011年5月から停止している。1号機は廃炉作業中。 

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