<佐藤浩太郎記者>
「小さくても本格的な演奏が楽しめるカワイのミニピアノ。いま、全く異なる業界の老舗とタッグを組んだ新しい商品が人気を集めています」

「KAWAI meets grirose ミニグランドピアノ」。実はこれ、老舗メーカーのランドセルと同じ色合い・デザインでつくられているんです。

手掛けているのは、浜松市の河合楽器製作所。約40年の歴史を持つミニピアノは、すべて静岡県内の工場でつくられています。子ども向けでサイズは小さいですが、カワイがつくるアコースティックピアノと同じように、職人がひとつひとつ音を確かめてつくりあげました。追い求めたのは正確な音程。楽器に初めて触れる子どもたちに、体で覚えて楽しんでもらいたいとの思いが込められています。そんなミニピアノと今回コラボしたのが、1965年創業、革製品を扱う東京の老舗メーカー「土屋鞄製造所」がつくるランドセルです。

<河合楽器製作所知育ホビー室 市原ひかりさん>
「(土屋鞄製造所の)ランドセルのものづくり、お子様ですとかご家族に寄り添うというブランドコンセプトに大変感銘を受けまして弊社の方からアプローチをさせて頂きました。ランドセルを選びに行くときに、ご家族で、おじいちゃま、おばあちゃまと一緒に選びに行くことが多いものですから、そのときに一緒にミニピアノを見ていただく機会があるということで」

ミニピアノも祖父母が孫にプレゼントで贈ることが多いということで、コラボに相乗効果があるといいます。ランドセルの定番といえば黒や赤でしたが、土屋鞄のランドセルは洋服に合わせやすい淡い中間色が特徴。内装には、ランドセルの裏地と同じデザインがあしらわれています。コラボ企画の背景には、ピアノを取り巻くこんな事情が。

<街の人>
Q.ピアノを弾いたことありますか?
「弾いたことある」
「展示されてるところとかで弾いたことがあります」

子どものピアノ人気は変わらず高いようですがー

<街の人>
「マンションなので、隣近所が気になって買うっていうのは考えちゃいますね」
「いま(家にピアノが)ないですね。場所も、値段も…ってところですね」

少子化や住宅環境の変化を理由に、国内のピアノ市場は縮小傾向です。しかし、そのなかでカワイのミニピアノは売り上げを伸ばしています。

<河合楽器製作所知育ホビー室 市原ひかりさん>
「40年かけてジリジリじわじわ、販売台数は上がってきている状況だったんですけども、コロナ禍によってだいたい前年の1.5倍くらいの売り上げを出しているような状況です」

好調なミニピアノの販売にさらに拍車をかけようと、カワイが注目したのが、土屋鞄のランドセルでした。7月18日に販売開始したミニピアノ。横浜市で、ランドセルと同時に販売するイベントのほか、店頭での演奏会も開催されました。

<河合楽器製作所知育ホビー室 市原ひかりさん>
「弾いても楽しい、眺めても楽しいというところが良いなという風に思っております」

業界は違えど、どちらも子どもの笑顔を第一に考えた老舗同士がつくる「しずおか産」です。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。