全国の第三セクターの鉄道会社のうち、最も高い黒字額となった「あいの風とやま鉄道」は、2023年度の利用者が増加したことに加え、営業外収支あたる受託工事が加わった分が好決算をもたらしたことがわかりました。
あいの風とやま鉄道の2023年度決算の経常黒字額は9793万円でした。41社名の中で黒字だったのは4社のみで、多くの会社がコロナ前の水準に戻っておらず、慢性的な赤字に苦しんでします。
あいの風とやま鉄道は、前年の2022年度は、コロナ禍による利用客の減少のため、1億7600万円の経常損失を計上していました。
あいの風とやま鉄道では、好決算の一番の要因は、2023年度の利用者がコロナ前の水準に回復しつつあり、さらに様々な利用促進策が奏功して観光客やインバウンド客が8月から12月まで大幅に増加したことに加えて、運賃改定で運賃収益が29億2000万円となり、前の年度より14.6パーセント増加したことを挙げています。
利用者の増加が赤字額の圧縮に貢献
一方で他社同様に電力費・物価高などにより営業費用がかさんでいるなかで、運賃収入などの営業収入から営業費用を差し引いた営業損益が3400万円の赤字となったものの、前年より1億9800万円も赤字額が少なくできたことも今回の好決算の一因と言えます。
今回の決算では、この営業損益に営業外収支に計上される受託工事の金額が加わって、経常損益が9793万円の黒字になっており、利用客が減ったり、赤字額が増えたり、受託工事がなかった場合にはこのような好結果にならなかったと思われます。
あいの風とやま鉄道では、今後も管理コストを削減して、安全第一の運行と安定経営に努めたいとしています。
あいの風とやま鉄道以外で経常黒字だったのは他に3社あり、黒字額は「智頭急行」が8460万円、「南阿蘇鉄道」が1889万円、「信楽高原鉄道」が152万円でした。
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