北海道苫小牧市の安平川で、国が定める目標値を上回るPFAS(ピーファス)=有機フッ素化合物が検出された問題で、北海道と安平町は22日、安平川から取水している3つの浄水場でPFASは検出されなかったと発表しました。

 PFASは、調理器具のコーティングや消火剤などに使われる有機フッ素化合物の総称で、分解されにくい構造のため、水などに蓄積する特徴を持っています。

 国は、コレステロール値の上昇や発がんなど健康影響があるとして、PFASの一種である、PFOSとPFOAの製造や輸入を禁止し、飲料水については、健康に悪影響が生じないとする暫定目標値を1リットルあたり50ナノグラムと定めています。

安平川から取水する3つの浄水場からPFASは不検出と発表

 苫小牧市の安平川では次世代半導体の製造を目指す「ラピダス工場」への工業用水供給を2026年に控え、7月初めに安平川下流の工業用水の取水地点でPFASの水質検査を実施したところ、目標値を上回る1リットルあたり59~61ナノグラムが検出されていました。

 こうした結果を受け、北海道と安平町は安平川の上流域から取水している3つの浄水場で、水質検査を行いましたが、いずれもPFASは検出されなったということです。

 一方で、北海道は浄水場以外の8つの地点でも水質検査を行いましたが、このうち1つの場所で目標値を超える1リットル当たり95ナノグラムのPFASが検出されたほか、PFASが検出されていた工業用水の取水地点を再検査した結果、78~82ナノグラムと前回調査を上回る量が検出されました。

 道は、PFASが検出された周辺の廃棄物処理場などを調べるなど原因の特定に向けた情報収集を進めているほか、継続的なモニタリングを行う方針です。

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