新型コロナの感染者が全国的に増加する中、1医療機関あたりの感染者数で、鹿児島県が全国で最多となっています。県内の医療機関ではクラスターが起きているところもあり、警戒感が高まっています。

霧島市立医師会医療センターです。センターでは今月に入って、入院患者の間でクラスターが発生し、13人が感染。院内での感染者は5月以降、あわせて32人となり、コロナへの警戒感が日に日に高まっています。

厚生労働省によりますと、今月14日までの1週間の1医療機関あたりの感染者数は、鹿児島が全国平均の2.8倍の31.75人で、全国最多となりました。全国の上位11位の中に、九州・沖縄8県全てが入っています。

今、感染が広がっているのは、感染力が高い「KP.3」と呼ばれるオミクロンの変異株です。

(記者)「院内ではこちらのラインで感染リスクの高いゾーンを分けて、感染が広がらないようにしています」

センターでは感染拡大を防ぐために、感染した患者を同じ部屋または個室に移動。院内では感染リスクごとにエリアを分け、職員はリスクの高いエリアに入る時には防護服を身に着けています。

重田浩一朗副院長は、感染対策の強化にともなって、スタッフの負担が増えつつあるといいます。

(霧島市立医師会医療センター 重田浩一朗副院長)「スタッフが防御具をつけるが、それを着脱するのにすごく手間がかかり業務がかなり増えていく。精神的にも感染しないよう注意しないといけないから、そういう意味で負担が大きくなる」

そして今後、懸念されるのが、病床のひっ迫です。センターでは35床ある病床のうち、およそ7割にあたる25床がコロナ感染者などですでに埋まっています。

(霧島市立医師会医療センター 重田浩一朗副院長)「感染が広がっていくと入院患者の制限をせざるを得ないし、外来の制限の可能性もあるので、危惧をしている」

子どもたちが夏休みに入り、人の移動も活発になる時期。センターでは先月からこれまでに高齢者3人が新型コロナに感染して持病が悪化し、亡くなっていて、高齢者への感染に注意が必要です。

(霧島市立医師会医療センター 重田浩一朗副院長)「高齢者で(コロナで)元々の病気が悪くなって亡くなるという状況があるので、(持病のある人は)より注意をしてほしい。特に鹿児島は14歳未満(の感染者)が多いという状況。なるべく高齢者にうつさないようにしてほしい」

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