全国的に新型コロナウイルスの感染が再び広がるなか、石川県内でも拡大しています。現場の医師からは「爆発的」という言葉も出るほど陽性者が増え、夏休みでの更なる感染拡大に危機感を募らせています。

金沢市笠舞の小川医院では、風邪の症状がある場合、屋外で待機して検査を待ちます。車の列は診療が始まってから、途切れることはありません。発熱を訴える患者を乗せた車がひっきりなしに来院し医師や看護師が新型コロナウイルスの検査に追われています。

病院の駐車場には診察待ちで待機する車が

中には家族3人全員が陽性となった患者もいます。

陽性だった人「コロナがうつったと思って来た。やっぱり熱が出て頭痛とか吐き気とかがあった」

現在、全国的に感染が拡大しているのはオミクロン株の派生型で新たな変異株の「KP.3(ケーピースリー)」です。こちらのクリニックでも7月の3連休以降、感染者が急激に増えたといいます。

22日の午前中の診療でもおよそ20人が検査に訪れ、このうち半数が陽性でした。

小川医院・小川滋彦院長「肌感覚では爆発。もちろん熱が40度くらい出て物ものみ込めないという人は従来通りいるけど、今回初めてコロナになった人がたくさんいて“夏風邪程度かな”みたいな感じで来て、屋外で診察してだいたい陽性です」

県内でも定点観測を行う5つ全ての保健所管内で前の週より増加しています。特に七尾市や志賀町などの能登中部では、1定点あたり20人に迫る勢いです。

なぜ感染が広がったのか。小川院長は、感染しても自宅療養となる現状を理由の一つに挙げます。

また、新型コロナの感染症法上の位置づけが5類へ移行したことで、飲み薬が1万5000円から3万円と高額になってしまうことが背景にあるようです。

小川医院・小川滋彦院長「保険効いて3万円とかになる。無料の時はけっこう持って行く人も多かったけど、今はもう公費がないので負担がかかってくる。薬が高すぎて使えなかったら結局やっていることは4年前と変わらない、家で寝て治しなさいということになる」

感染症対策で県の顧問を務める、金沢大学附属病院・谷内江昭宏さんはこれまでの推移をふり返った上で、県内では8月にも感染者数がピークを迎えると予測します。

金沢大学附属病院・谷内江昭宏県顧問「今九州地方を中心に感染拡大が顕著になっている、それにつられて全国の感染状況も増加している。おそらく8月くらいがピークになって11月ごろまで感染がだらだらと続く」

谷内江氏は今後、病院や高齢者施設のほか、能登半島地震の被災地の避難所での感染が拡大する可能性もあるとして注意を促します。

金沢大学附属病院・谷内江昭宏県顧問「避難所で生活されている人が一部いらっしゃると思うのでご本人たちが気をつけてもらうということもあるが、そこに入り込む人が感染を持ち込まないようにするのも大事」

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