宮城県では「#7119」と「#8000」、2つの救急の相談ダイヤルがあります。この2つの違い、そして、取材を進めると見えてきた運用の課題とは。

救急車の出動が過去最高に

県内では、近年救急車の出動件数が増加傾向です。中でも仙台市では救急車の出動件数は去年、前の年より4000件以上増え、6万4830件と過去最高を更新しました。

2021年 52.002件
2022年 60.737件
2023年 64.830件 ※過去最高

仙台市の救急医療の現場では、高齢化や猛暑で救急車の需要が高まっており、必要としている人に医療を届けるための対策が必要となっています。

救急相談ダイヤル、知ってますか?

そこで、救急車を呼ぶかどうか判断する際に活用するのが救急相談ダイヤル「#7119」と「#8000」です。

このダイヤル、街の人に知っているかどうか聞いてみました。

街の声:
「知らないです。聞いたこともないです」
「ちょっと分からないですね…」
「知っています。夜、(使ったことが)あります」

知らない人も多かったこのダイヤル、一体どのようなものなのでしょうか。

「#7119」大人向け救急相談ダイヤル

まず、「#7119」は、2017年から県と仙台市が共同で開設している15歳以上の大人向けの救急相談ダイヤルです。

休日や夜間に急な病気やケガをした際、救急車を呼ぶかどうか、また直接救急病院に行くかどうか迷った時に電話をかけると、受診の必要性や受診可能な医療機関について看護師が助言してくれます。

県医療政策課 木戸要介課長補佐:
「近年、非常に救急搬送件数が年々増加している。消防や医療機関がひっ迫しているという声もたくさんいただくので、不要不急の場合の救急車の要請や救急病院受診の抑制ができればと考えている」

「潜在的な重症者」の発見にも

救急車を呼ぼうかどうか迷った時に、医療の物差しをもった専門家が助言してくれるもので、さらに、「#7119」は救急車出動の抑制以外にも「潜在的な重症者」の発見にも役立つと消防では話します。

仙台市消防局救急部救急企画課 佐々木隆広課長:
「例えば、朝起きて着替えをしているときに指がうまく動かなくてボタンがかけられないとか、そういったのは脳梗塞の初期の症状ですので、おそらく相談ダイヤルをしていただければ、救急車を呼ぶように言われると思います」

消防では、この電話相談で、命の危険から救うケースがあるといいます。

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