山口県内のことし5月末までのうそ電話詐欺の被害認知件数は39件で、被害額は1億5506万円と去年同時期の倍近くの被害となっていて、もはや人ごとではありません。

「+」で始まる国際電話番号から着信

先日tysにも、「+」から始まる国際電話番号から詐欺と思われるような不審な電話がかかってきました。犯罪ジャーナリストの小川泰平さんは「架空料金請求詐欺」ではないかと指摘した上で、「電話やSNSで金を要求してくる場合は詐欺を疑ってほしい」と話します。

電話の音声
「ご利用の携帯電話より、有料情報サイトのご登録をいただいておりまして、こちらご利用料金が1年間長期未納ということで、本日最終での通知が届いております」

「NTTファイナンス」をかたる自動音声から誘導され、「オペレーター」としてつながった人物とのやりとりです。この人物は、名前と生年月日を聞き出すと(正しい情報は伝えていません)、「有料サイトの料金が長期未納のため、民事裁判の手続きを進めている」として「利用料や遅延損害金など、29万9600円を払うよう」要求してきました。

架空請求詐欺の一つ?

神奈川県警の元刑事で、犯罪ジャーナリストの小川泰平さんは、うその請求で金を要求する「架空料金請求詐欺」の1つではないかと指摘します。

小川泰平さん
「この5月ぐらいから、非常に全国で一斉に多く発生しています。架空請求詐欺というのは一気に出るんですね。10件10件とか出るんじゃなくて、1日で何百件という、被害ではないんですけどアクションが起こされます」

しつこく要求し支払い方法を指示

電話の音声
「ご精算はされるということで、お間違いはないですか?」

電話では、何度もせかすように「支払うか?」と確認されました。

小川さん
「『先ほど支払うとおっしゃいましたよね?』みたいな感じで、あとで払わないとというように持っていきたいんだろうなと。本人が支払うということを意識付けさせようとしているんだと思います」

また、この人物は、近くのコンビニエンスストアで支払うよう求めてきました。店に着いた時の連絡方法について、詳細な指示がありました。

電話の音声
「現在入り口付近での通話が禁止されていますので、コンビニにつきましたら、店内ではなく外に出ていただいて、私の方に『もしもし』と声をかけてください」
小川さん
「声かけをコンビニでも推奨しています。そういったことで架空請求詐欺等が見破られたという、結果的に未遂に終わったという例もあるんですね。そういったことを逆に警戒しているんだと思います」

取材だと伝えると?

最後に、テレビ山口につながり、取材であることを伝えました。

記者
「テレビ山口というところで報道部の記者をしております。今の話を伺って詐欺じゃないかと思って、このまま取材させていただきたいんですが」

この電話は3月に契約したばかりで、去年有料サイトに申し込むことはできないと伝えましたが「詐欺ではない。支払わないのであれば民事裁判に移行する」という立場を崩しませんでした。小川さんは、電話で名前などを教えてしまうと、別の犯罪に悪用される可能性があると、個人情報の取り扱いへの注意を呼びかけます。

小川さん
「聞いた名前、生年月日、かけてきた電話番号は、セットになって、それ自体がまた転売されていると思ってください」

電話やSNSで金銭要求は詐欺!

また「電話やSNSで金を要求してくる場合は詐欺を疑ってほしい」としています。

小川さん
「本来請求があれば、誰々様、いくらと、ちゃんとこうなっていますし、必ず連絡先も書いてあるはずです。私がわざわざ教える必要はありませんということで電話を切ってもらって結構です。その旨を警察に届けてもらうのが1番いいと思います」

今回は詐欺電話を疑って、取材のため会話をしましたが、みなさんは怪しいと思った場合はまずは電話を切って、周りの人や警察に相談するようにしてください。

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