7月12日、愛媛県松山市の松山城で起きた土砂崩れ。北側斜面が幅50メートル、高さ100メートルにわたって崩れ、住宅1棟が倒壊し、3人が犠牲となりました。こうした土砂災害は私たちの身近なところでも起きる可能性があります。

いわき市の住宅街の一角にあるこの区域は「土砂災害警戒区域」に指定されています。

県が指定する警戒区域は、いわき市内で1489か所にのぼり、それをもとに市が13の地区それぞれにハザードマップを作成しています。県防災士会で理事を務める藁谷俊史さんは、土砂災害による被害を防ぐために、まずは「ハザードマップの確認」が重要だといいます。

福島県防災士会 理事・藁谷俊史さん「事前に各自治体が出しているハザードマップで、ここは危険な場所なのか、自分の住んでいる場所に土砂災害警戒をしなければいけない場所があるかというのを事前に確認してほしい」

藁谷俊史さん

警戒区域「外」でも危険が…

しかし、警戒区域に指定されていない場所にも危険は潜んでいると話します。

藁谷さん「指定されていなくても危ない場所というのはありますので、自分が危ないなと思った所は危険を避ける行動に移してほしいと思う」

また、雨が数日前に降って、今はやんでいる場合でも注意・警戒が必要です。

藁谷さん「今まで水が湧き出ていない場所から突然水が流れ出している状況があったり、立ち木が斜めにずれてくる、電柱が斜めにずれてくる、これはもう危険が差し迫っている可能性があります」

気象情報を把握して「早めの避難」を心がけることが重要ですが、事前に避難所までの経路を確認することも大切です。

藁谷さん「避難所までの経路の中に、土砂災害や洪水など危険にあうような場所があれば、そこは避けて避難をしてほしい」

線状降水帯の発生など想定外の豪雨が懸念される中、藁谷さんは、危険な場所には近づかないことはもちろん、普段の備えと心構えが重要だと強調します。

藁谷さん「事前に非常持ち出し品とか備蓄品とか、しっかり準備をしていただいて、避難の時に素早く避難行動に移せるようにしてほしいと思います」

土石流の前兆3つ

福島県は6月、土砂災害警戒区域外でも土砂災害が発生する恐れがある場所を明らかにしました。その数、3万8670か所、最も多いいわき市で6149か所、次が二本松市の4182ヵ所、田村市の3420ヵ所となっています。

こうした土砂災害から命を守るためにはどうすればいいのか。まずは、土石流の前兆となる現象に気付くことが大切です。

(1)山鳴りがする
(2)川の水が濁ったり、川に木が流れてくる
(3)腐った土のにおいがする

こうしたことが起きると、土石流が発生する危険がありますので、避難をしてください。

次に、命を守るための3つのポイントです。

(1)ハザードマップを確認しておくこと。普段から、自分の家が土砂災害のおそれがある地区か知っておくと安心です。
(2)非常用の持ち出し品を用意しておくこと。避難を前提としているので、家に常備するものとは別に、避難直後から3日分を目安に、水や薬など必要なものを、持ち出し袋に入れてすぐ取り出せる場所に置いておきましょう。
(3)避難場所やタイミングを決めておくこと。自治体の発令が間に合わない可能性もあるので、自身や家族と話し合って決めておきましょう。

雨の日が続いて地盤が緩んでいるところもありますから、いざという時のために備えておきましょう。

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