鉄道や線路、木に至るまでその素材はなんと全てダン(段)ボール。
製作するのは、旧国鉄で運転士を務めた男性。
「ダンボールクラフト」の世界にのめり込んだきっかけはなんだったのでしょうか。

去年11月、惜しまれつつもラストランを迎えた「奥出雲おろち号」に、人気寝台特急「サンライズ出雲」。横には、その前身ともいえる寝台特急「出雲」など今は見られない列車も並びます。

鳥取県米子市の「上淀白鳳の丘展示館」で開かれている、島根県出雲市のダンボールクラフト作家・原禎幸さんの作品展。
これまでに製作した14点が展示されています。

ダンボールクラフト作家 原禎幸さん
「段ボールの特徴である、断面が見える作品。断面をみせる作品。」

原さんの作品の特徴は”ギザギザ”です。

ダンボールクラフトでは一般的に平面が使われることが多いですが、原さんはカッターナイフでダンボールを3ミリから5ミリ程度に裁断。

あえて断面を見せるように、いくつも積み重ねて味のある作品に仕上げています。

こうした作品作りの原点は意外なものでした。

ダンボールクラフト作家 原禎幸さん
「孫が幼稚園時代だったが、段ボールの一部をとって、積み上げて自動車を作りました。」

8年前、孫にダンボールでレーシングカーのおもちゃを作ったことでダンボールクラフトの世界にのめり込み、寺社仏閣や「旧大社駅」といった建物を製作。

旧国鉄に13年間在籍し機関車の運転士を務めた経験もあったことから、製作する作品は次第に鉄道にまつわるものへと広がっていきました。

ダンボールクラフト作家 原禎幸さん
「木次線にしても芸備線にしても存続という問題もありますし、山陽へつなぐという大きな夢を持って建設を進めていた時代がある。その時代を皆さんに振り返っていただく」

会場では他にも、旧国鉄・倉吉線を走る機関車など、今はなき"鉄道遺産"の数々を見ることができます。

ところで先日、「特急やくも」の381系・国鉄型特急電車が定期運行を終えましたが、これも、原さんの"鉄道遺産"に仲間入りを果たすのでしょうか。

ダンボールクラフト作家 原禎幸さん
「サンライズを作った時に、あの曲線が非常に難しくて、ためらいが。いずれ挑戦してみようかなという思いはあります。」

世代を超えて楽しめるダンボールクラフトの作品展は9月1日までです。

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