梅雨の末期に差しかかり、各地で大雨となる続く中、愛媛県では12日未明に起きた土砂崩れで3人が行方不明になっています。専門家は、がけ地の多い鹿児島でも「身の回りのリスクを改めて確認してほしい」と話します。

茶色く濁った水でおおわれた道路。12日未明、愛媛県・松山市の松山城近くで土砂崩れが発生し、複数の住宅に土砂が流れ込んで3人が行方不明となっています。

松山市は、この土砂崩れを受けて5段階の大雨警戒レベルで最も高い緊急安全確保を発表しました。

自然災害や防災に詳しい鹿児島大学の井村隆介准教授は「自治体が出す避難情報だけに頼らず、住民自身で避難や災害リスクを判断することも大切」と指摘します。

(鹿児島大学 井村隆介准教授)
「土砂崩れが起こった午前4時前後は、大雨の注意報しか出てない」「当時、大雨警戒レベルでいうと2で、まだ準備してください、備えてくださいという状況で起きている」「崖のそばに住んでいるというリスクの確認、もっと市町村ではなくて個人レベル対応しなければいけないことが見えた災害」

松山市の土砂崩れ現場は市の中心部で、がけのそばまで住宅などが密集する地域でした。

鹿児島では雨水を含むと崩れやすいとされるシラス台地が多く、がけ地そばの住宅は注意が必要と話します。

(鹿児島大学 井村隆介准教授)
「街の真ん中で崖のギリギリのところ、斜面のギリギリのところまで家が建てられ、鹿児島とよく似た地形。地質の違いはあるが、がけのそばに住むということに関しては、同じようなリスクがある」

九州南部では週明けにかけ雨の日が続く見込みです。

井村准教授は、自宅の周りのがけなど危険なか所を見直し、大雨が予想される時は早めの避難を心がけてほしいと強調します。

(鹿児島大学 井村隆介准教授)
「梅雨の末期に入ってきて、その時の雨の強さだけではなく、それまでためている雨で被害が拡大する可能性もある。いま一度、この最後の梅雨末期、あと1週間ぐらいの我慢という前に、もう一度、みなさんが住んでいる場所、あるいは通勤とか通学の途中に土砂災害のリスクがないか確認してほしい」

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