新潟水俣病の被害者や支援団体が5年ぶりに新潟県庁で知事と面談し、早期救済に向けた新たな仕組みを作るよう、国に働きかけてほしいと求めました。

12日午後、新潟県の花角英世知事と面会したのは「新潟水俣病被害者の会」・「新潟水俣病阿賀野患者会」・「新潟水俣病共闘会議」で、花角知事が県庁で腰を据えて被害者団体と面談するのは、2019年以来です。

新潟水俣病第5次訴訟では、先に審理を終えた原告47人についての判決が4月に言い渡され、26人が水俣病と認められました。
しかし、残る102人の原告についての審理は続いています。
被害者団体は被害者が高齢化していることを挙げ、一刻も早い解決を訴えました。

【新潟水俣病阿賀野患者会 皆川栄一副会長】
「裁判に頼らなくても解決できる方法を、なんとか模索していただいて、早期解決に向かって尽力していただきたい」

17日と18日には、伊藤信太郎環境大臣が新潟を訪れ、被害者団体と懇談することになっています。

【味岡申宰 弁護団事務局長】
「伊藤環境大臣が来られるときに、改めて状況を踏まえて、早期解決のための抜本的な仕組みを要望することを、知事から大臣へ要請文を出すことはご検討いただけないんですかね?」
【新潟県 花角英世知事】
「いろいろな場面で私自身も話をしています。毎年1回の紙切れ出して終わりってことではありません」

被害者らは『全ての被害者の早期救済と新たな解決』のための話し合いや、『地域住民の健康調査』を行うよう、国と環境省に強く要請してほしいと要望。
また新潟県に対しては『認定審査会』のあり方の見直しも要請しました。

この要望に対して花角英世知事は、
「国の大きなルールにのっとって県が動いている仕組みですので、公健法(公害健康被害の補償等に関する法律)の審査に関して、国の意向を県からは動かしにくいということは、残念ながら理解して頂きたい」と述べつつ、県としてできる範囲のことは検討していきたいと答えました。

【新潟水俣病阿賀野患者会 皆川栄一副会長】
「私たちは裁判を待てるだけの時間が足りない。時間がありません」
「裁判を進めていくと同時に、なんらかの救済への道筋を、きちんとこれから検討していただきたい」

この後、被害者団体らは新潟市の中原八一市長とも面会し、同様の申し入れを行いました。

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