被害者の子どもや孫の健康調査もかねたカネミ油症の検診が、ことしも長崎県五島市を皮切りに始まりました。

今年度全国12府県で行われる予定の油症検診。
全国に先駆けて11日、被害者が集中した地区の一つ五島市玉之浦町で実施されました。受診したのは33人でうち4人が未認定、次世代も1人含まれていたということです。

市販の油に猛毒のダイオキシン類が混入しておきた「カネミ油症」は《血中ダイオキシン類濃度》を柱とした「認定基準」による振り分けで、汚染油を口にしても患者認定されていない人も多く未認定被害者の存在が問題となっています。

さらに母乳や胎盤などを通して子どもにダイオキシン類が移行したケースが確認される中、放置されている多くの次世代被害者の存在も指摘されています。

検診を受けた認定患者の男性(87)は「(長男は)母ちゃんのおっぱいを飲んで認定された。次男・次女は認定されていない」と話し、兄が未認定だという男性は「要望しても一緒だし、元気もないし勇気もない」と肩を落としていました。

検診データは「認定基準」改定の必要性を議論する資料にもなります。
国の予算で油症の治療法などを研究している「全国油症治療研究班」は2021年に始めた「次世代調査」の一環として、認定患者の子や孫にも検診への参加を呼びかけています。

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