自分が生んだ赤ちゃんの遺体を崖の上から投げ捨て遺棄した女が逮捕・起訴されたことに端を発した一連の事件。
7月11日、女に暴行を加え、傷害の罪に問われている男の初公判が開かれた。
男は「身に覚えがない」と起訴内容を否認し”無罪”を主張した。
この男、女に対し“魔術師協会”に所属する“牛尾ひでき”と名乗っていた。
碓井康哲被告、33歳。
わが子を崖から投げ落とした女とこの男の間に何があったのか。なんとも言えない関係が、裁判で明かされた。
■検察が明かした詳細
検察の冒頭陳述によると、こうだ。
女は2020年の11月ごろ、スピリチュアルサイトの関係者の紹介で男と知り合う。「過去に返す“魔術”を行う」男がそう伝えると、女はその“魔術”を希望したという。
はじめはメールでやり取りをしていた2人。しかし男がこう言う。
「魔術にはお金がかかるし、上京して一緒に暮らさないか」
こうして2021年3月上旬、女は上京し男と同棲するようになる。「牛尾先生」この頃女は男をこう呼ぶようになっていた。
同棲をはじめると、男は女に「修行」をさせるようになった。
■修行で「俺は神」
女をソファーに座らせる。手足を縛る。目隠しをする。耳にはイヤホンを押し込んだ。
「俺は神様だ」男の声が聞こえる。修行は数日間にも及んだ。
さらに何か尖ったものが足に押し当てられた。電気ショック。
この「修行」は、この後も続けられたとされる。
1日のノルマは「4万円」だった。
女は男から「パパ活」で稼ぐよう指示されていた。女は従ったが、ノルマを達成できない日が続くと「修行」させられた。
そんな日々を過ごすうち、女は身ごもった。
■「うしお」は聞き入れない
女は今年3月1日の夜に、子どもを生む。誰の子かは明らかにされていない。
スマートフォンにテレグラムでメッセージが届いた。アカウント名は「うしお」。
魔術師協会に所属するという、あの男だ。
男は女の帰宅を許さずパパ活を続けるよう指示したが、女は出産直後の体調不良からノルマを達成できない。
女の生んだ赤ちゃんを捨てるようしむけたのは、このタイミングとみられている。
その後、男は女に帰宅するよう伝えた。女はメッセージを送る。「修行は嫌です」
3月8日、家に戻ると男が言った。「修行になった」
女は修行したくなかった。「パパ活に稼ぎに出ます」しかし男は聞き入れない。
男は女の両手を後ろ手に粘着テープで縛る。両足首も同じように縛った。女の目も粘着テープを貼って目隠しした。
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