2023年1月に市内唯一の映画館が閉館した青森県八戸市。

街の映画文化を無くしてはいけないと、7日、市内の私設美術館で『映画祭』が開かれました。

映画館のない市内で『映画祭』

映画祭は、2023年1月に市内唯一の映画館が閉館したことを受けて、八戸市の私設美術館「八戸クリニック街かどミュージアム」が中心となって、市民の有志を集めて開催しました。

白マドの灯 小倉学代表の説明の様子
「通常は何もない壁に浮世絵などを飾る展示室なんですけれども、この期間はちょっと映画館のようにして…」

会場となっているのは、美術館の展示室。130インチのスクリーンと360度の立体音響機器が運び込まれ、映画館さながらの雰囲気を作っています。

「やっぱり映画館はほしいな…」

7日に上映された作品は、南アフリカ共和国初の黒人大統領ネルソン・マンデラとラグビーに焦点を当てた「インビクタス負けざる者たち」です。初日は約30人の観客が訪れ、作品に見入っていました。

上映会に来た人は
「こぢんまりとしていますけど、私たちの心の中に映画ってすごいなと、映画の力ってすごいなと伝わる、そういう場所ができたことは素晴らしいなと思います」

「やっぱり映画館はほしいな…。こういうところでもどんどん(映画を)やっていただいて、私も参加したいなと思っています」

また、上映後は映画への理解を深めるため、八戸市出身のラグビー選手・中村良真さんのトークショーも開かれました。主催した小倉学さんは、今後も市内で上映会の企画や支援を行い、八戸の映画文化を守っていきたいと話します。

「映画が日常で楽しめなくなることは地方で豊かな生活を送る上では非常にマイナス」

白マドの灯 小倉学代表
「映画という文化が日常で楽しめなくなるということは、地方で豊かな生活を送る上では非常にマイナスだと考えています。市民一人一人が映画文化に少しでもいろいろな形で関われることが地域の映画文化を守るためには必要かと考えています」

この映画祭は7月の土曜・日曜に合わせて5回開かれます。

また、8月31日には上映会の開催方法を学ぶワークショップが開かれます。

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