客からの暴言や理不尽な要求などの迷惑行為「カスタマーハラスメント」、「カスハラ」についてです。社会問題となっているこのカスハラをめぐり、仙台市内では企業や自治体が対策を進めています。

カスハラの実態は…

仙台市泉区にある賃貸不動産の仲介や管理を行う会社です。入居者の住まいの困りごとには電話やメールで対応していますが、中には感情的になってしまう客もいるといいます。

平和住宅情報センター賃貸管理部 向田一博課長:
「多いのは時間の拘束で、電話をいただいて、お客様の気持ちは十分、分かるのですが、1時間とか1時間半とか。あとは罵倒ですね、バカとかっていう言葉が出てしまう」

トラブルの相談は一か月でおよそ1000件、繁忙期だとおよそ2000件にものぼるといいます。

平和住宅情報センター賃貸管理部 向田一博課長:
「(カスハラで)スタッフが心の傷を負ってしまう。これがどうしても離職につながってしまう」

会社のカスハラ対策は…

この会社では、電話の内容を録音するほか、店内に防犯カメラを設置して対策を講じています。

また、5月からはホームページに「従業員へのハラスメント行為と判断した場合、サービスの提供を中止して然るべき対応をとる」と明記しました。

平和住宅情報センター賃貸管理部 向田一博課長:
「毅然として対応はしていくべきだと思うので、そこに関してはしっかりと、できないものはできませんというお断りをする」

仙台市交通局も、カスハラ対策に取り組んでいます。

高橋未来記者:
「仙台市営バスの車内。以前はこのように運転手の名前が表記されていましたが、現在は営業所名と車両番号のみとなっています」

交通局では、去年バスの運転席の後ろにある表示板に運転手の名前を表記することをやめました。

更に7月からは…。

運転手の名札を変更ました…

仙台市交通局総務課 佐藤裕大課長:
「これまではフルネームの漢字表記となっていた名札について、ひらがなの苗字のみの名札に改めた」

これまで、名札には職員のフルネームを漢字とローマ字で表記していましたが、7月からは、職員の名字のみをひらがなとローマ字での表記に変えました。

対象はバス運転手や地下鉄運転士など、交通局で働く全ての職員およそ1000人です。

仙台市交通局総務課 佐藤裕大課長:
「職員が働くにあたって不安があるという声が届いていたので、それを受けて今回の見直しを行った」

これまでに、バスの運転手が名前と運転に対する苦情をSNS上に公開されたり、地下鉄の駅務員が名札の写真を撮られたりするケースがあったということで、交通局は職員が安心して働ける環境づくりを進めたいとしています。

厚労省が去年行った実態調査では、3割近くの企業が「過去3年間に従業員からカスハラの相談を受けていた」と回答。交通局の名札の切り替えは順次、行われ、全員が完了するのは、10月中旬の見込みです。

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