600年を超える歴史を持つ日本の古典芸能「能」は、洗練された動きで感情を表現し物語を演じる日本を代表する古典芸能です。この「能」の世界に魅せられ日々、稽古に励む大学生が仙台にいます。学生たちの心をひきつけるものはいったい何なのでしょうか。

2人は東北大農学部で勉強中

東北大学農学部1年の加宅田咲希さんと相川直子さんです。2人は、今年4月に東北大学に入学し農学部で、生物や化学の基礎知識などを学んでいます。

東北大学農学部1年 加宅田咲希さん:
「あした生物系の科目でテストがあって、それに向けて勉強しています」

その勉強している中身とは…。

東北大学農学部1年 加宅田咲希さん:
「いろんな過程を経てパルミチン酸っていう簡単な脂肪ができる。簡単な脂肪が進化してより複雑な脂肪が、いろんな種類ができるという話です」

午後6時半、この後部活動があるということで勉強道具を片付け、練習場所へ移動します。到着すると早速、足袋を履き何やら準備を始めました。

農学部の2人の部活動は…

加宅田咲希さん:
「『能楽部』っていう部活です。農学部で能楽部です」

ここでは伝統芸能である「能」に取り組む部活動が行われていました。2人は入学後、先輩たちの舞を見て入部を決めました。

東北大学農学部1年 相川直子さん:
「知らないことばかりだったので新鮮で面白いなと思っています」
東北大学農学部1年 加宅田咲希さん:
「日本人だけど日本のことあんまり知らないなって思って、伝統芸能っぽいことをやってみたいなと思った」

東北大学学友会能楽部は60年以上の歴史がある団体。現在は1年生から大学院生まで13人が所属していて部長の和田都さんを中心に週に2回、活動が行われています。

東北大学学友会能楽部 和田都部長:
「日本で最北端の能楽部となっている。今年は男子3人女子3人の6人入ってくれてすごく活気のある状況」

部活動では、ストーリー性がある能の演目の中でも一番の見せ場となる部分を能面は付けずに舞う「仕舞(しまい)」、セリフやナレーションといった役割を持ち、仕舞に添えられる歌謡である「謡(うたい)」、そして、謡にあわせて小鼓の演奏をする「連調」の3つに取り組み、これらを組み合わせて能の舞台を構成します。

2人の「能」の練習はどんな感じ…

6月29日には1年生の舞台デビューが控えていて、この日は1年生が演じる仕舞を中心に練習が行われました。

上級生の指導:
「立ち上がって一つの動作が終わって、運んでまた次の動作をして」

先輩が、手足の動きや体重移動の仕方ついて丁寧に指導していきます。

加宅田咲希さん:
「謡はちょっとほめていただいた。後ろに下がったり前に進んだりするときに、地面に体重をかけすぎてしまって、ぎこちなくなってしまうのが指摘されたので、そこを改善したい」

6月23日、この日は月に1度行われる師範による稽古です。

能楽部を指導するのは…

部員たちに指導するのは能楽師の粟谷明生さん。週末に控えた舞台を前にそれぞれの仕舞をチェックし姿勢や足さばき、扇の使い方など細かく指導していきます。

粟谷明生さんの指導:
「できるだけ肩も顔も水平に横に動く、かたむかない、まっすぐ。右足引いて座る、これはダメ…。自分の頭切ってる、扇はこう回さないと」

能では型どおりに動くだけではなく、洗練された動きの中での表現力が大切になります。部員たちは自分の稽古以外の時もプロのアドバイスや先輩の技を自分のものにしようと真剣に取り組みます。

そして、今回能面を付けて舞う本格的な「能」に挑戦する部員もいて、粟谷さんの指導にもさらに熱が入ります。

粟谷さんは、自分たちなりの表現を通じて能の魅力を広めていってほしいと期待を寄せます。

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