岩手県は28日、一関保健所管内の保育施設1か所で、腸管出血性大腸菌(O111=オー・イチイチイチ=)感染症の集団発生が起きたと発表しました。県内でO111感染症の集団発生が起きたのは2017年以来7年ぶりです。重症や入院した人はいないということです。
県医療政策室によりますと、6月24日に医療機関から一関保健所へ「下痢の症状がある子どもから腸管出血性大腸菌(O111)が検出された」と連絡がありました。保健所が調査したところ、5月31日から6月26日にかけて、一関保健所管内にある園児77人、職員24人が在籍する保育施設の園児19人と職員1人に下痢などの症状が出ていたことが分かり、専門の研究機関による検査の結果、症状のあった8人のうち3人から腸管出血性大腸菌(O111)感染症が確認されました。重症、入院の患者はなく、症状のある人はいずれも回復傾向にあるということです。
県内のO111による集団発生は、2017年10月に奥州保健所管内の幼稚園で起きて以来7年ぶりです。県は経過を観察しながら、消毒や手洗いを徹底するなどの二次感染予防対策を指導しています。
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腸管出血性大腸菌(O111)感染症は、菌に汚染された飲食物を飲み食いしたり、患者のふん便に含まれる大腸菌が直接または間接的に口から入ったりすることで感染します。腹痛や下痢、血便などが主な症状で、特に小児や高齢者は溶血性尿毒症症候群(HUS)などの合併症を同時に発症することがあり、最悪の場合死に至ることもあるといいます。
このため予防方法として
・石けんで十分な手洗いを行うこと
・食事を調理する場合は十分に加熱すること
・食品は冷蔵庫や冷凍庫で保存すること
-などが挙げられ、県は腹痛や下痢(血便)などの症状がある場合は、早めに医療機関を受診するよう呼びかけています。
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