SNSに自殺願望を書き込んでいた愛媛県に住む14歳の少女を未成年と知りながら連れ去ったとして、未成年者誘拐の罪に問われた26歳の男に対し松山地裁は26日、執行猶予付きの有罪判決を言い渡しました。
判決などによると、岡山県に本籍を置く会社員の男(26)は今年4月30日から3日間、愛媛県に住む14歳の少女を未成年と知りながら連れ去り、松山市内のホテルに滞在させるなどし誘拐したということです。
これまでの裁判で検察側は、犯行に至るまでの経緯を明らかにしていました。
検察側が初公判で述べた冒頭陳述によりますと、男は離婚や自宅のローンの支払いなどで経済的にも苦しくなり「気持ちを共有できる人と一緒に死にたい」と考えていたところSNS(X)で少女が自殺願望を示す内容の投稿を発見。
これを見て男から「自分はGW中に死ぬ予定です」「もしよろしければ最後の時を一緒に過ごしませんか?」「2人なら場所はそっちに行きます」「誘拐するね笑」などとメッセージを送信し少女が承諾したことから、連れ去ったということです。
松山地裁で26日行われた判決公判で渡邉一昭裁判官は「判断能力が未熟な少女に対し一緒に自殺をするなどという言葉で家出をさせ支配した犯行は悪質」で「母親の精神的苦痛は大きく厳しい処罰を求めるのは当然」「自殺の道連れにするという動機に酌量の余地はない」などと指摘。
一方、男が事実を認め反省していることなどから懲役1年6か月執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。検察側の求刑は懲役1年6か月でした。
26日の判決公判。
毛先を緑に染めた長髪を後ろで結び、黒のTシャツと黒のズボン姿で臨んだ男は、言い渡される判決を落ち着いた様子で聞き入っていました。
最後に裁判官から執行猶予の3年間について「くれぐれも注意して過ごすように」「分かりましたね」と問われると、男は「はい」とうなずきながら答えていました。
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