宮城県にある栗駒山の写真を60年間、撮り続けている写真家が栗原市にいます。人生をかけて撮影し続けるのは、栗駒山の素晴らしさをみんなに知ってほしいとの思いからでした。

80歳のアマチュア写真家

佐藤貢さん:
「きょうは最高の日ですね。撮影日和で。うまく撮ろうと思ったことは一度もない。感じた心のままで撮り続けてきた」

佐藤貢さん

栗原市栗駒に住む佐藤貢さん。今年で80歳を迎えました。アマチュア写真家として栗駒山を60年、撮り続けています。

佐藤貢さん:
「栗駒山に魅せられた。良いところが点在している。世界谷地には花畑があって、ブナ原生林。行くたびに違う表情を見せてくれる。新しい発見、同じ場所でも新しい風景を見ることができた」

撮り続けてきた写真はもはや数えきれない枚数に。今では年間10万人以上が訪れる栗駒山ですが60年前は登山道も少なく、佐藤さんが栗駒山を撮り始めたのはその魅力を伝えるためでした。

佐藤貢さん:
「一般の人たちは殆どと言っていいほど登る人が少なかった。
多くの人に来て貰って山の魅力を知って欲しいという気持ちが強かった」

栗駒山仲間が語る佐藤さんとは

佐藤さんと栗駒山仲間の小林吉雄さんです。小林さんが旧栗駒町役場の観光課に務めていた頃、町のパンフレットなどに佐藤さんの写真を使っていたことがきっかけで、40年以上の付き合いになります。

栗駒山仲間の小林吉雄さん

小林吉雄さん:
「誰にでも気さくに話してくれるので友達も多いと思うが、やっぱり芸術家だから一本芯が入ってゆずれないものはゆずれないとこだわりのある人」

佐藤貢さん:
「今になってみると本当に生涯のテーマとしてやって来たんだと思う。写真をやって来たことによって、いろんな人たちと多くの人たちと付き合えて、それが心の中の大きな宝物」

佐藤さんの撮影に同行

6月13日、佐藤さんの撮影に同行しました。

佐藤貢さん:
「光を透かして見える光景、それが好きです」

栗駒山の中腹にある世界谷地です。そこでカメラを構えたその時…、カミナリです。

雨宿りする佐藤さん:
「不意を撃たれた。逆に、これが機会で、今までにないような風景に変わるときもある」

雨が上がりました。

佐藤貢さん:
「今、多くの人が訪れてくれるのがよかったなって。運と努力と粘り、そういう気持ちを持ち続けて、自然が見せてくれる表情を撮り続けていきたいと思う」

佐藤さんは、ほかの山にはほとんど訪れたことが無く、栗駒山一筋で写真を撮っているということです。

この写真集「栗駒山賛歌」は、栗原市栗駒の書店で販売していて、市の図書館にも所蔵されています。

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