6月16日、青森市内で開催された中学生の陸上大会で、砲丸が生徒の頭にあたり、骨折する事故がありました。

陸上競技では、過去にも同様の事故が起きています。
スポーツの危機管理学の専門家は「競技に携わる人全員に安全管理の意識を共有すること」が必要と警鐘を鳴らします。

砲丸が頭に… ウォーミングアップ中の事故

事故は、夏の県中学校体育大会の東青地区予選が行なわれていた会場で起きました。現場は、新県総合運動公園の補助陸上競技場=サブトラックで、午前9時前に試合に向けたウォーミングアップをしていた際の事故でした。

生徒が砲丸投げの練習していたところ、投げた砲丸が別の生徒に砲丸が直撃し頭の骨を折りました…。

日本体育大学でスポーツ危機管理学を研究する南部さおり教授は、大会特有の生徒の心理を考えた上での体制作りが大切だと指摘します。

スポーツ危機管理学研究の教授の指摘

日本体育大学 スポーツ危機管理学 南部さおり教授
「大会の場合は、選手たちは自分の成績がどうなるかにばかり気を取られているので、他の人の動静に対してはあまり注意できない状況になっていると思う。ある程度、競技場を管理する目をたくさん置くことも重要ではないか」

こうした陸上競技・投てき種目の事故は過去にもあり、日本スポーツ振興センターによりますと2005年~2022年までの18年間で19件あったということです。

陸上競技・投てき種目での事故 千葉県や沖縄県での事例

2018年には千葉県の高校で体育の授業で生徒の頭に砲丸があたる事故が発生。また、2017年には沖縄県の高校でもやり投げの練習中に投げたやりが生徒の脚に刺さりました。

南部教授は管理・指導側が毎年起きる重大事故に留意し、リスクをよく学ぶことが必要だとしています。

日本体育大学 スポーツ危機管理学 南部さおり教授
「事故に関する情報を知っておけば、こういう事故が起きうることの予見は可能。時間がないとか通達が来ないは言い訳にはならなくて指導者が自分や生徒を守るためにもきちんと自ら情報収集をして学んでいく姿勢がないといけない」

その上で競技者側もスポーツの特性を十分に理解することが重要だと指摘します。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。