国会では、派閥の裏金事件を受けた改正政治資金規正法が成立しました。パーティー券の購入者の公開基準額が、「20万円超」から「5万円超」に引き下げることなどが盛り込まれましたが、まだまだ“抜け穴”といわれる部分があるようです。

野党「抜け穴だらけのザル法」

井上貴博キャスター:
改正された法律の抜け穴を3つ挙げてみました。

1.政治資金パーティをオンライン開催すれば対象外
勉強会としてリアルで集まらなければ、そこは想定されていないということで、オンラインは対象外です。

2.任意団体が主催すれば対象外(1000万未満の場合)
議員本人・議員に関わる団体が主催するのはいけませんが、任意団体が主催すれば対象外となります。つまり、誰かに開いてもらえれば対象外になる。

3.複数開催は対象外
公開基準は1回あたり5万円超という線引きなので、年間に4回行えば5万円ずつということで、複数開催は対象外となります。

法律的に考えると「秘書がやった」ということをどう防ぐのか、連座制も中途半端な形になったので「確認書は書いたけれども私はわからなかった」などの逃げ道がある。ザル法はザル法のままということが言えます。

萩谷麻衣子弁護士:
パーティー券について、公開対象が20万から5万円まで引き下げられたのは進歩だと思いますが、まさかオンラインが対象外で、広く薄く集めれば公開しなくて済むような状態で、抜け穴ですよね。

私がしっかり作ってほしいなと思うのは第三者機関で、外部の目のチェックは非常に重要で、第三者機関がどういう権限を持つかが非常に重要だと思います。表面上のチェックだけしかできないのか、それとも少し突っ込んで調査権限のような強力な権限を持つものなのか。

前者であれば効果はあまり期待できないなと。そのあたりが検討事項となっていますから、しっかり検討されるのか、実行されるのか、国民が見ていかなければいけないと思います。

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<プロフィール>
萩谷麻衣子さん
弁護士
結婚・遺産相続などの一般民事や、企業法務を数多く担当

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