ネット上の「クチコミ評価」。飲食店などの評価を客側の目線で知ることができると参考にするという方も多いのではないでしょうか?この「クチコミ評価」を巡って医師ら70人が集団提訴に乗り出そうとしています。スタジオで詳しく見ていきます。

■“悪質なクチコミ”に悲鳴 医師ら約70人がGoogleに対し集団訴訟へ

熊崎風斗キャスター:
4月18日、医師ら約70人がGoogleに集団提訴するということです。

実際に病院・クリニックへのクチコミにはこんなものがありました。

「もう二度と行きません」
「受付の人のIQが低い」
「医師から性加害を受けた」

閉業扱いにされるなどの悪質行為もあったということです。

井上貴博キャスター:
企業としては、今やマーケティングにもなりますので、クチコミを活用する動きが広がっている。

もちろん便利な面もありますが、一方で、無法地帯なので、「性加害を受けた」などと書かれてしまうと、もう取り返しのつかないダメージになってしまう。

萩谷麻衣子 弁護士:
有用な情報提供の場というのは必要で、表現の自由もあるので、萎縮されては困るんですが、悪意のある投稿や勘違いによる投稿に対して、投稿された側が削除要請をしてもなかなか消してもらえないんですよね。

最終的には、例えば、アメリカのGoogle本社などに証拠を揃えて削除請求をしていくということまでしないと、なかなか削除されない。

個人で削除請求をするのは非常に大変なので、今回の医師らの集団提訴に繋がったのかなというふうには思います。

ホラン千秋キャスター:
線引きがすごく難しい気がしていて、どんな体験をしたかという事実と、それに基づいた主観っていうのは、人によって違うわけじゃないですか。提供した側は“そのつもりはない”けれども、“そのつもり”で受け取ったお客さんがいるということ。

もちろん悪意があるものはダメですが、それを掲載した方がタメになることもあるし、でも、削除した方がいいこともあるし、その線引きが非常に難しいなと思います。

萩谷弁護士:
個人の感想というのは名誉毀損の対象でもないので、削除要請をしてもなかなか難しいと思います。論評全体から見て、悪意性があるのか、名誉毀損になるのか、個別に判断していかなければいけないので、非常に難しい問題だと思います。

■クチコミの利用方法は?

熊崎キャスター:
今の時代、様々なクチコミがありますので、どのように利用していくのがいいのか、見ていきます。

そもそもクチコミというのは、製品やサービスとは無関係の第三者による客目線の意見・評価です。正しく利用することができれば非常に便利なものですが、クチコミはいつ利用されているのか。(マイボイスコム調べ)

28歳男性
「高価な物を買う場合は 色んなクチコミを集める」

36歳男性
「新しく行く飲食店はクチコミを参考にする」

10代女性
「バイト先を探す時に店員さんの接客態度を調べる」

このように利用をしている人もいました。

赤坂周辺のMAPにはこんなクチコミがありました。

MAP上をクリックすると、その地点の詳細な情報が出るんですが、例えば、「TBS」は5段階中3.7の評価でした。クチコミには、「スタジオが綺麗」「感謝祭の『心臓破りの坂』意外にきつい」などがありました。

「港区シェアサイクリング」も5段階中3.7の評価でした。クチコミには「いつも貸し出し中です」とありましたが、本日見てきたところ、3台ありました。

「円通寺坂公園」は5段階中3.8の評価でした。クチコミには、「ハーブなどもあり綺麗な公園」「サボリーマン公園」などがありました。実際にサボっているかどうかはわからないですが、本日撮影した写真では、寝ている人や座っているサラリーマンの姿もありました。

こんなところまでクチコミがあるのかとびっくりしました。

ホランキャスター:
判断を決めるためにクチコミを参考にするけれども、そのクチコミが本当に合っているのかどうかの確認はできないわけじゃないですか。だから、信じすぎるのは危険だなというのはありますよね。

■信頼しすぎて失敗も…クチコミの落とし穴

熊崎キャスター:
クチコミを信頼しているかどうか、アンケートをとりました。(マイボイスコム調べ 2023年3月調査)

クチコミを「信頼している・まあ信頼している」が37.6%、「どちらともいえない」が43.8%、「していない・あまりしていない」が13.7%でした。

信頼できると感じる意見としては、

「色々な人がクチコミしているから」
「同じ評判を色々な人が書いているから」
「良い点だけでなく、悪い点も書いてあるから」

ということでした。

ただ、クチコミを信頼しすぎて失敗もあったそうです。

10代
「高評価の店だったが、メニューと全然違う料理が出てきた」

10代
「『美容師が優しい』と書いてあったのに、髪型のリクエストも聞いてくれなかった」

20代
「クチコミを書いたら割引されるお店は実際はそんなに…」

ということも話していました。

■企業もクチコミ念頭に戦略 経済効果は1.5兆円も

熊崎キャスター:
企業もクチコミを重視しているということです。

クチコミの影響力について、SNSなどに詳しい国際大学グローバルコミュニケーションセンターの山口真一准教授は、「クチコミには年間で1.5兆円も消費を押し上げる程の経済効果があります」と話しています。

サービスや製品開発など、クチコミの高評価を狙った戦略を立てている企業もあるということなんです。

ただ、一部の企業では、サクラとして外部業者に投稿を委託したり、AIを使って一斉に投稿して話題作りにするなどもありますので、情報の取捨選択がなかなか難しいですね。

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